言志四録 / 言志後録 第二百七条 文章鍛錬の法
先草創。次討論。次脩飾。最後潤色。鄭國辭命之精密。不但取數賢之長。於文章鍛鍊之法亦宜然。
新字:先草創。次討論。次脩飾。最後潤色。鄭国辞命之精密。不但取数賢之長。於文章鍛錬之法亦宜然。
書き下し
先づ草創し、次に討論し、次に修飾し、最後に潤色す。鄭国の辞命の精密なるは、但だに数賢の長を取るのみならず、文章鍛錬の法に於ても亦宜しく然るべし。
現代語訳
まず草案を作り、次にそれを検討し、次に手を加えて整え、最後に磨きをかけて仕上げる。鄭の国の外交文書が精密だったのは、数人の賢者の長所を取り入れたからだけではない。文章を鍛える方法としても、そのようにするのがよい。
解説
『論語』憲問篇に、鄭の国では外交文書を作るとき、裨諶が草稿を作り、世叔が検討し、子羽が修正し、子産が仕上げの潤色をしたという話があります。一斎はこれを、複数の賢者の分業というだけでなく、一人で文章を鍛える手順としても読めると言います。草創・討論・修飾・潤色という四段階は、下書きを書き、内容を吟味し、表現を整え、最後に品位と調子を加えるという推敲の工程そのものです。一度で完成させようとせず、段階を分けて見直すことで文章は精密になります。企画書や報告書をチームで練り上げるときにも、自分一人で書くときにも、工程を意識するきっかけになる一条です。
この章句が説くこと
文章推敲分業鍛錬
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