言志四録 / 言志後録 第百七十八条 己が才性の短長を知る
人當自知己才性有短長。
新字:人当自知己才性有短長。
書き下し
人は当に自ら己が才性に短長有るを知るべし。
現代語訳
人は、自分の才能や性質に短所と長所とがあることを、自ら知っておかなければならない。
解説
わずか十字の短い一条ですが、自己認識の要を突いています。「才性」は生まれつきの才能と性質。誰にでも得手と不得手があり、それを自分で知っておくことが出発点だと一斎は言います。長所を知れば活かしどころがわかり、短所を知れば補い方や避け方がわかる。逆に、自分を万能と思えば無理な役を引き受けて失敗し、短所ばかりを見れば萎縮してしまいます。少し後の条で、せっかちな人には仕事を半分だけ任せよと説くのも、人の才性の短長を見たうえでの使い方です。自分の強みと弱みを言葉にできているか、そしてそれを周囲と共有できているかを問い直すきっかけになるでしょう。
この章句が説くこと
自己認識才性長所と短所自知適材適所
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