言志四録 / 言志後録 第百七十一条 王政は只だ是れ平穏
王政只是平穩。平天下平字可味。
新字:王政只是平穏。平天下平字可味。
書き下し
王政は只だ是れ平穏なり。天下を平らかにするの平の字、味はふべし。
現代語訳
王者の政治とは、ただ平らかで穏やかであることに尽きる。(『大学』の)「天下を平らかにす」の「平」の字は、よく味わうべきである。
解説
前二条の「平穏」を、政治の根本にまで押し広げた短い一条です。『大学』の八条目は「修身・斉家・治国・平天下」と結ばれますが、一斎はその最後の「平」の字に注目します。天下を治めるとは、力で抑えつけることでも、目覚ましい功績を立てることでもなく、世の中を平らかに穏やかにすることだというのです。「平」には、偏りなく公平であるという意味と、波立たず安らかであるという意味が重なっています。組織の運営でも、華々しい成果より、偏りがなく皆が安心して働ける状態を保つことが、最も難しく最も大切な仕事なのかもしれません。
この章句が説くこと
王道平穏平天下為政大学
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