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言志四録 / 言志後録 第百六十条 忘るる勿れ助長する勿れ

勿忘。勿助長。敎子亦可存此意。嚴而慈。是亦用待子可也。

新字:勿忘。勿助長。教子亦可存此意。厳而慈。是亦用待子可也。

書き下し

忘るること勿れ、助長すること勿れ。子を教ふるにも亦此の意を存すべし。厳にして慈、是れも亦用て子を待して可なり。

現代語訳

「忘れてはならない、無理に助けて伸ばそうとしてはならない」(『孟子』公孫丑上篇)。子を教える際にもこの意を心に留めておくべきである。厳しくて慈しみ深いこと、これもまた子に接する態度として用いてよい。

解説

『孟子』公孫丑上篇の「心に忘るること勿れ、助けて長ぜしむること勿れ」を子育てに当てはめた一条です。孟子は、苗の伸びが遅いのを気にして引っ張り、枯らしてしまった宋の人の話を挙げ、浩然の気を養うには、その営みを忘れて放置してもいけないし、焦って無理に伸ばそうとしてもいけないと説きました。一斎は、子を教えるときも同じで、放っておかず、かといって急がせないことが大切だと言います。そのうえで「厳にして慈」、つまり厳しさと慈しみを兼ねることを勧めます。前条の、溺愛と責善の両極を戒めた教えと対をなしています。育成に焦りは禁物だが、関心を失ってもいけない。部下や後輩の成長を見守る立場の人にとって、自分の関わり方を点検するための言葉です。

この章句が説くこと

助長教育厳慈忍耐人材育成

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