言志四録 / 言志後録 第四十一条 鈔銭出でて明衰ふ
鈔錢出而明衰。鈔錢盛而明亡。
新字:鈔銭出而明衰。鈔銭盛而明亡。
書き下し
鈔銭出でて明衰へ、鈔銭盛んにして明亡ぶ。
現代語訳
紙幣(鈔銭)が出回って明は衰え、紙幣が盛んになって明は滅んだ。
解説
前の条で明の末期を論じた一斎が、その衰亡を貨幣の問題に絞って言い切った一条です。明は建国当初から「大明宝鈔」という紙幣を発行しましたが、準備の裏づけがないまま乱発したため価値が下落し、経済の混乱を招きました。一斎は、安易に紙幣を刷って財政の穴を埋めることが国を衰えさせ、それが盛んになるにつれて国は滅びに向かったと見ています。前条の「政事は只だ是れ貨幣を料理するのみ」と対にして読むと、財政の行き詰まりを通貨の操作でしのぐ政治への警戒がはっきりします。目先の資金繰りのために将来の信用を削っていないか、組織の財務を考えるうえでも示唆のある言葉です。
この章句が説くこと
貨幣財政信用衰亡歴史
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