孟子 / 盡心章句上
孟子曰、人之有德慧術知者、恒存乎疢疾。獨孤臣孽子、其操心也危、其慮患也深。故達。
新字:孟子曰、人之有徳慧術知者、恒存乎疢疾。独孤臣孽子、其操心也危、其慮患也深。故達。
書き下し
孟子曰く、「人の德慧術知有る者は、恒に疢疾に(チン・シツ)存す。獨り孤臣孽子のみ、其の、心を操るや危うく、其の、患いを慮るや深し。故に達す。」 <語釈> ○「德慧術知」、趙注は、德行・知慧・道術・才智の四者とし、朱注は、德慧は徳の慧、術知は術の知の二者とする。趙注に從う。○「疢疾」、朱注:疢疾は、猶ほ災患なり。○「其操心也危~」趙注:自ら孤微にして危殆の患いを懼れて、深く之を慮り、勉めて仁義を為す、故に達するに至るなり。
現代語訳
孟子は言った。 「德行・知慧・道術・才智の長所を持つ人間は、つねに災いや苦しみの中に身を置いている。主君から遠ざけられた臣下や妾腹の子に限っては、自ずから苦しみや禍に身を置いているので、常に身の危険性を懼れ、その事を深く考慮して努力する。だから自然と仁義の道に通ずるようになるのである。」
解説
人生における逆境や困難は、決して無駄なものではありません。順風満帆な環境にいると、人はどうしても気を抜いて成長が止まってしまいがちです。しかし、苦しい状況や不安を抱えている時こそ、私たちは真剣に物事を考え、失敗しないように細心の注意を払い、必死に努力を重ねます。その結果として、人の心の痛みを知り、物事の本質を見抜く深い知恵と強さが養われるのです。今直面している苦労は、あなた自身を大きく成長させるための貴重な試練だと捉えてみましょう。
この章句が説くこと
逆境試練成長深い知恵
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