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言志四録 / 言志録 第二百十九条 一物を多くすれば一累を多くす

多一物。斯多一事。多一事。斯多一累。

書き下し

一物を多くすれば、斯に一事を多くす。一事を多くすれば、斯に一累を多くす。

現代語訳

物が一つ増えれば、それだけ用事が一つ増える。用事が一つ増えれば、それだけ煩いが一つ増える。

解説

物を一つ増やせば、その分の手間が一つ増え、手間が一つ増えればその分の煩いが一つ増える。簡潔な連鎖で、所有と煩いの関係を言い当てた一条です。物を持てば管理や維持が必要になり、それが心を縛る「累」となります。道家の寡欲の思想にも通じますが、一斎はこれを日常の実感として述べています。現代の生活や仕事にもそのまま当てはまる指摘で、道具や制度、会議やルールも、一つ加えるたびに運用の手間と気がかりが増えていきます。何かを加えることで問題を解決しようとするとき、それが新たな煩いを生まないかを考え、むしろ減らすことで身軽になれないかと問い直す材料になる言葉です。

この章句が説くこと

簡素寡欲煩い身軽さ

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