言志四録 / 言志録 第百六十三条 四十以後は牀第を戒む
學者當德與齒長。業逐年廣。四十以後之人。血氣漸衰。最宜戒牀第。不然。神昏氣耗。德業不能致遠。不獨戒在少之時。
新字:学者当徳与歯長。業逐年広。四十以後之人。血気漸衰。最宜戒牀第。不然。神昏気耗。徳業不能致遠。不独戒在少之時。
書き下し
学者は当に徳と歯と長じ、業は年を逐ひて広まるべし。四十以後の人は、血気漸く衰ふ。最も宜しく牀第を戒むべし。然らずんば神昏み気耗して、徳業遠きを致す能はず。独り戒め少き時に在るのみならず。
現代語訳
学ぶ者は、徳が年齢とともに成長し、学業も年を追って広がっていくようでなければならない。四十歳を過ぎた人は、血気がしだいに衰えてくる。とりわけ閨房のことを慎むべきである。そうでなければ精神は昏み、気力はすり減って、徳も学業も遠くまで及ぼすことができない。(孔子が言うように)戒めは若い時だけにあるのではない。
解説
論語季氏篇の「少き時は血気未だ定まらず、之を戒むること色に在り」を踏まえ、色欲の戒めは若い時だけでなく四十歳以後にこそ要ると説いた一条です。一斎がこの書を書き始めたのは四十二歳のときで、まさに自身の年齢に引き寄せて書いたものでしょう。徳と学業を年とともに伸ばしていくには、衰えはじめた血気を浪費せず養うことが欠かせない、という養生の観点が根にあります。次の二条も欲望の節度を論じています。中年以降に仕事の質を保ち、なお伸びていくために、体力と気力をどう配分するか。自分の生活の中で何が力を消耗させているかを見直す材料になります。
この章句が説くこと
養生節欲老い徳業血気
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