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言志四録 / 言志録 第百六十条 死敬を戒む

人不可無明快灑落處。若徒爾畏縮趑趄。只是死敬。濟得甚事。

新字:人不可無明快灑落処。若徒爾畏縮趑趄。只是死敬。済得甚事。

書き下し

人は明快灑落の処無かるべからず。若し徒爾に畏縮趑趄せば、只是れ死敬のみ。甚事をか済し得ん。

現代語訳

人には、明るくさっぱりとして、わだかまりのないところがなくてはならない。もしただいたずらに恐れ縮こまり、ためらって進まないのであれば、それは死んだ敬にすぎない。それで何事を成し遂げられようか。

解説

前の条に続いて、敬の誤った形を戒めた一条です。慎み深いことと、びくびくと縮こまることは違います。一斎は、恐れてためらうばかりの態度を「死敬」、死んだ敬と呼び、それでは何も成し遂げられないと断じます。人には「明快灑落」、明るく爽やかで、こだわりのない境地がなければならないと言うのです。灑落は、宋の周敦頤の人柄を評した「光風霽月」「胸中灑落」の語を思わせます。敬とは心が生き生きと澄んでいる状態であり、萎縮とは正反対のものだということです。失敗を恐れて慎重すぎるあまり、何も決められない組織や人の姿を省みる手がかりになるでしょう。

この章句が説くこと

敬死敬灑落萎縮決断

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