言志四録 / 言志録 第百四十三条 歴史は活きた世界
古徃歷史。是現世界。今來世界。是活歷史。
新字:古往歴史。是現世界。今来世界。是活歴史。
書き下し
古往の歴史は、是れ現世界なり。今来の世界は、是れ活歴史なり。
現代語訳
過ぎ去った昔の歴史は、そのまま今の世界である。今この世界は、生きている歴史である。
解説
わずか十数字で歴史と現在の関係を言い切った一条です。昔の歴史は過去の出来事の記録ではなく、人情も事の成り行きも今と変わらない一つの現実の世界だと見る。逆に、いま目の前で動いている世界は、これから歴史として読まれる生きた歴史そのものだと言います。前の条で、聖賢の精神は今もなお存すると述べたこととも響き合います。歴史を読めば現在が見え、現在を見れば歴史がわかるという、往還の視点です。組織の過去の経緯や先人の判断を学ぶことも、いま自分が下す判断がやがて歴史になると意識することも、同じ一つの姿勢から出てくるのでしょう。
この章句が説くこと
歴史現在歴史観読書
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