言志四録 / 言志録 第九十二条 已むを得ざるの花
薄於不得已而後發諸外者。花也。
新字:薄於不得已而後発諸外者。花也。
書き下し
已むを得ざるに薄りて、而る後に諸を外に発する者は、花なり。
現代語訳
内に満ちて、もうどうにもとどめられないところまで迫って、そうしてはじめて外に現れ出るもの、それが花である。
解説
花の咲き方にたとえて、真に外に現れるものの在り方を示した一条です。「薄」は「迫」に通じ、内なる力が押し出されるように満ちることを言います。花は、根や幹に蓄えられた生気が已むに已まれず外にほころび出たものであって、見せるために咲くのではありません。一斎は少し後の条でも、雲烟や風雨、雷霆が「已むを得ざる」ところに発する姿に至誠のはたらきを見ており、ここではその姿を花に託しています。次条の山川と対になる自然の観察です。言葉や成果を外に示すとき、内側にそれだけのものが満ちているかを考えさせる言葉です。
この章句が説くこと
已むを得ざる自然内実表現花
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