言志四録 / 言志録 第六十四条 才は猶ほ剣のごとし
才猶劒。善用之。則足以衞身。不善用之。則足以殺身。
新字:才猶劒。善用之。則足以衛身。不善用之。則足以殺身。
書き下し
才は猶ほ剣のごとし。善く之を用ふれば、則ち以て身を衛るに足り、善く之を用ひざれば、則ち以て身を殺すに足る。
現代語訳
才能はちょうど剣のようなものである。うまく使えば身を守るのに十分であり、うまく使わなければ身を滅ぼすのに十分である。
解説
才能を剣にたとえた、よく知られた一条です。剣は身を守る道具にもなれば、使い方を誤れば自分を傷つける凶器にもなります。才能も同じで、それ自体は善でも悪でもなく、どう使うかによって、身を助けもし、滅ぼしもするというのです。才能ある人ほど、自分の能力に頼って人を見下したり、危うい道に踏み込んだりしやすいことを、一斎はよく見ていたのでしょう。続く条では、殷の紂王を例に、才能の恐ろしさをさらに具体的に語ります。才能を持つことより、それを何のために、どのように使うかが問われる。優秀な人材をどう生かすか、また自分の強みが思わぬ弱点になっていないかを考えるきっかけになる言葉です。
この章句が説くこと
才能才と徳自制用い方
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