呻吟語 / 内篇・應務・才は猶ほ兵のごとし
才猶兵也,用之伐罪弔民,則為仁義之師;用之暴寡凌弱,則為劫奪之盜。是故君子非無才之患,患不善用才耳。故惟有德者能用才。
新字:才猶兵也,用之伐罪弔民,則為仁義之師;用之暴寡凌弱,則為劫奪之盗。是故君子非無才之患,患不善用才耳。故惟有徳者能用才。
書き下し
才は猶ほ兵のごとし。之を用ひて罪を伐ち民を弔へば、則ち仁義の師と為る。之を用ひて寡を暴し弱を凌げば、則ち劫奪の盜と為る。是の故に君子は才無きの患に非ず、善く才を用ひざるを患ふるのみ。故に惟だ德有る者のみ能く才を用ふ。
現代語訳
才は軍勢のようなものです。罪ある者を討ち民を慰めるために用いれば、仁義の軍となります。少ない者を虐げ弱い者を凌ぐために用いれば、奪い取る盗賊となります。だから君子は才が無いことを憂えるのではなく、才を上手に用いないことを憂えます。だからただ徳のある者だけが才を用いられます。
解説
才を軍勢にたとえ、使い道で正反対になることを示します。同じ軍が仁義の師にも盗賊にもなる。だから憂えるべきは才の不足ではなく使い方だ、と。そして使えるのは徳のある者だけだと結びます。前に出てきた、徳義の中の才能なら危うさを免れるという段と同じ主張が、軍の比喩で描かれた一段です。憂えるべきは、才の不足ではなく使い方だということです。
この章句が説くこと
才兵用途徳制御
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