言志四録 / 南洲手抄
憤一字、是進學機關。舜何人也、予何人也、方是憤。
新字:憤一字、是進学機関。舜何人也、予何人也、方是憤。
書き下し
憤の一字、是れ進学の機関なり。舜何人ぞや、予何人ぞや、方に是れ憤。
現代語訳
「憤」の一字こそ、学問を進める原動力である。聖王の舜も同じ人間ではないか、自分も同じ人間ではないか——そう奮い立つ心が、まさにこの憤である。
解説
ここでの「憤」は怒りではなく、現状の自分への発奮・悔しさを指します。一斎は、学びが伸びる決定的な力をこの一字に見ました。手本とすべき偉人を前に「あの人にできて、なぜ自分にできないのか」と発奮する。この健全な悔しさが、人を前へと押し出します。才能や環境より先に、まず「このままではいられない」という内発的な衝動があるかどうか。孔子が顔淵を評した言葉にも通じる、動機づけの核心を突いた言葉で、学びや成長が停滞したときに立ち返りたい一条です。
この章句が説くこと
発奮立志学問動機づけ
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