導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

福翁自伝 / 老余の半生・居合、米搗

今でも宵は早く寝て朝早く起き、食事前に一里半ばかり芝の三光から麻布古川辺の野外を少年生徒と共に散歩して、午後になれば居合を抜たり米を搗たり、一時間を費して晩の食事も、チャンと規則のようにして、雨が降ても雪が降ても年中一日も欠かしたことはない。去年の晩秋戯れに、 一点寒鐘声遠伝 半輪残月影猶鮮 草鞋竹策侵秋暁 歩自三光渡古川 なんて詩を作りましたが、この運動摂生が何時まで続くことやら、自分で自分の体質の強弱、根気の有無を見て居ます。

書き下し

今でも宵は早く寝て朝早く起き、食事前に一里半ばかり芝の三光から麻布古川辺の野外を少年生徒と共に散歩して、午後になれば居合を抜たり米を搗たり、一時間を費して晩の食事も、チャンと規則のようにして、雨が降ても雪が降ても年中一日も欠かしたことはない。去年の晩秋戯れに、 一点寒鐘声遠伝 半輪残月影猶鮮 草鞋竹策侵秋暁 歩自三光渡古川 なんて詩を作りましたが、この運動摂生が何時まで続くことやら、自分で自分の体質の強弱、根気の有無を見て居ます。

現代語訳

今でも宵は早く寝て朝は早く起き、食事の前に、一里半ほど、芝の三光から麻布古川あたりの野外を、少年の生徒たちと共に散歩し、午後になれば居合を抜いたり米を搗いたりして一時間を費やし、晩の食事も規則のようにきちんと取って、雨が降っても雪が降っても、年中一日も欠かしたことはありません。去年の晩秋、戯れに、 一点寒鐘声遠伝 半輪残月影猶鮮 草鞋竹策侵秋暁 歩自三光渡古川 などという詩を作りました。(ひとつ寒い鐘の音が遠くまで伝わり、半分の残月の光はなお鮮やかである。草鞋に竹の杖で秋の暁をおかして、三光から歩いて古川を渡る、という意味です。)この運動摂生がいつまで続くことやら、自分で自分の体質の強弱、根気の有無を見ています。

解説

老年の福沢の日課です。宵に寝て朝早く起き、食事前に一里半ほど少年の生徒たちと散歩し、午後は居合と米搗きに一時間。雨の日も雪の日も一日も欠かさない。毎日の積み重ねで体を保つ姿が淡々と描かれます。そして最後は、いつまで続くことやら、自分の根気の有無を見ている、と客観視で結びます。決意を誇らず、自分を観察の対象にする。習慣を続けるうえで、気負わずに自己観察する態度は、健康管理にも仕事の継続にも通じる心構えです。

この章句が説くこと

日課散歩居合米搗き習慣自己観察

関連する章句

『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。

本の中身を見る
本2冊(人生の方程式・人生の教科書)+師導1か月=700円 本を見る