益軒家訓 / 幼児須教
一八歲は古人小學に入りし年なり。初て論語を讀ましむべし。幼者に相應せる禮義を敎へ、辭讓を知らしむべし。又和禮を敎へ、漢字の草書を習はしむべし。一十歳小學の書をよませ、略其義理のさとしやすく、簡要なる所を說聞すべし。又眞字を習はしむべし。
新字:一八歳は古人小学に入りし年なり。初て論語を読ましむべし。幼者に相応せる礼義を教へ、辞譲を知らしむべし。又和礼を教へ、漢字の草書を習はしむべし。一十歳小学の書をよませ、略其義理のさとしやすく、簡要なる所を説聞すべし。又真字を習はしむべし。
書き下し
一八歳は古人小学に入りし年なり。初て論語を読ましむべし。幼者に相応せる礼義を教へ、辞譲を知らしむべし。又和礼を教へ、漢字の草書を習はしむべし。一十歳小学の書をよませ、略其義理のさとしやすく、簡要なる所を説聞すべし。又真字を習はしむべし。
現代語訳
八歳は、昔の人が小学に入った年です。初めて論語を読ませるべきです。幼い者にふさわしい礼儀を教え、人に譲ることを知らせるべきです。また日本の礼法を教え、漢字の草書を習わせるべきです。十歳になったら小学の書を読ませ、そのうちでおおよそ意味のわかりやすく、要点となるところを説いて聞かせるべきです。また楷書を習わせるべきです。
解説
八歳・十歳の教育内容を示しています。昔の人が八歳で小学に入ったというのは、朱子の大学章句序にある古代の制度の説明を踏まえたものです。ここでいう「小学の書」は、朱子の監修で編まれた初学者向けの修身書『小学』のことで、益軒が重んじた朱子学の入門書でした。書かれた内容をすべて教え込むのではなく、わかりやすく要点となるところを説いて聞かせよ、という配慮が見えます。年齢に応じて礼儀と書と読書を少しずつ積み上げる段取りは、今の子どもの学びにも参考になります。
この章句が説くこと
教育論語小学礼儀子育て
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