易経 / 剝卦
剝牀以足,以滅下也。 剝牀以辨,未有與也。 剝之无咎,失上下也。 剝牀以膚,切近災也。 以宮人寵,終无尤也。 君子得輿,民所載也。小人剝廬,終不可用也。
新字:剥牀以足,以滅下也。 剥牀以弁,未有与也。 剥之无咎,失上下也。 剥牀以膚,切近災也。 以宮人寵,終无尤也。 君子得輿,民所載也。小人剥廬,終不可用也。
書き下し
牀を剝ぐに足を以てすとは、以て下を滅ぼすなり。牀を剝ぐに辨を以てすとは、未だ与(くみ)する有らざるなり。之を剝ぐ、咎无しとは、上下を失へばなり。牀を剝ぐに膚を以てすとは、災に切近するなり。宮人を以て寵せらるとは、終に尤无きなり。君子輿を得とは、民の載する所なり。小人廬を剝ぐとは、終に用ゐるべからざるなり。
現代語訳
寝台の脚を削ぐとは、下の土台を滅ぼすことである。寝台の脚と床板の境目を削ぐとは、まだ応じて助けてくれる者がいないからである。削ぐ者たちの中にいながら咎がないとは、上下の陰の仲間から離れるからである。寝台の上の皮膚まで削ぐとは、災いが身に迫っていることである。宮女たちを率いて君の寵愛を受けさせるとは、最後には咎がないことである。君子なら車を得るとは、民に担ぎ上げられることである。小人なら家まで剥ぎ取るとは、最後には用いることができないということである。
解説
剝の爻辞に象伝が理由を添えた部分です。初六の寝台の脚を削ぐことを「以て下を滅ぼすなり」、六四の肌まで削ぐことを「災に切近するなり」と説き、下の土台から崩れた災いがやがて身に迫る順序を示します。最後の上九では、君子が車を得るのは「民の載する所なり」、民に担ぎ上げられるからであり、小人が家まで剥ぎ取るのは、終に用いることができないからだと対比します。衰えの時こそ、人に支えられるか見放されるかが、それまでの積み重ねで分かれます。
この章句が説くこと
土台衰退信頼支え
関連する章句
-
論語・為政篇子曰わく、人にして信無くんば、其れこれを知ることなきなり。大車に輗無く、小車に軏無くんば、其れこれを以て行かんや。
-
論語・顔淵篇子貢、政を問う。子曰く、「食を足し、兵を足し、民之を信ず。」子貢曰く、「必ず已むを得ずして去らば、斯の三者に於いて何をか先にせん。」曰く、「兵を去らん。」子貢曰く、「必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於いて何をか先にせん。」曰く、「食を去らん。古より皆死有り、民信無くんば立たず。」
-
論語・泰伯篇子曰わく、民はこれに由らしむべし、これを知らしむべからず。
-
論語・憲問篇「克・伐・怨・欲、行われずんば、以て仁と為す可きか。」子曰く、「以て難しと為す可し。仁は則ち吾知らざるなり。」
-
論語・憲問篇子曰く、『詐を逆(むか)えず、不信を億(はか)らず。抑も亦た先覚なる者、是れ賢か。』
-
『韓非子』說林上二十二樂羊は功有るを以て疑われ、秦西巴は罪有るを以て益々信ぜらる。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る