易経 / 小過卦
飛鳥以凶,不可如何也。 不及其君,臣不可過也。 從或戕之,凶如何也。 弗過遇之,位不當也。往厲必戒,終不可長也。 密云不雨,已上也。 弗遇過之,已亢也。周易 第六十三卦 離下坎上 易經:既濟:亨小。利貞。初吉終亂。 初九:曳其輪,濡其尾,无咎。 六二:婦喪其茀,勿逐,七日得。 九三:高宗伐鬼方,三年克之,小人勿用。 六四:繻有衣袽,終日戒。 九五:東鄰殺牛,不如西鄰之禴祭,實受其福。 上六:濡其首,厲。 彖曰:
新字:飛鳥以凶,不可如何也。 不及其君,臣不可過也。 従或戕之,凶如何也。 弗過遇之,位不当也。往厲必戒,終不可長也。 密云不雨,已上也。 弗遇過之,已亢也。周易 第六十三卦 離下坎上 易経:既済:亨小。利貞。初吉終乱。 初九:曳其輪,濡其尾,无咎。 六二:婦喪其茀,勿逐,七日得。 九三:高宗伐鬼方,三年克之,小人勿用。 六四:繻有衣袽,終日戒。 九五:東鄰殺牛,不如西鄰之禴祭,実受其福。 上六:濡其首,厲。 彖曰:
書き下し
飛鳥以て凶とは、如何ともすべからざるなり。其の君に及ばずとは、臣は過ぐべからざるなり。従へば或いは之を戕ふとは、凶如何せん。過ぎずして之に遇ふとは、位当らざればなり。往けば厲ふし必ず戒めよとは、終に長かるべからざるなり。密云雨ふらずとは、已(すで)に上ればなり。遇はずして之を過ぐとは、已に亢(たか)ぶればなり。周易 第六十三卦。離下坎上。易経。既済は、亨ること小なり。貞に利あり。初めは吉にして終りは乱る。初九、其の輪を曳き、其の尾を濡らす、咎无し。六二、婦其の茀(ふつ)を喪ふ、逐ふ勿かれ、七日にして得ん。九三、高宗鬼方を伐ち、三年にして之に克つ、小人は用ゐる勿かれ。六四、繻(ぬれ)るに衣袽(いじょ)有り、終日戒む。九五、東隣の牛を殺すは、西隣の禴祭(やくさい)の、実に其の福を受くるに如かず。上六、其の首を濡らす、厲ふし。彖に曰く、
現代語訳
飛ぶ鳥が高く飛び上がろうとして凶とは、どうしようもないのである。主君にまでは及ばないとは、臣下は主君を越えてはならないのである。そのまま従えば害されるかもしれないとは、凶をどうすることができようか。行き過ぎずに出会うとは、位がふさわしくないからである。進めば危うく必ず戒めよとは、最後まで長くは続けられないのである。厚い雲が垂れこめても雨が降らないとは、すでに上がりすぎているからである。出会わずに行き過ぎるとは、すでに高ぶりすぎているからである。周易 第六十三卦。下が離(火)、上が坎(水)。易経にいう。既済(すでに渡り終えた)の卦。通じるのは小さな事である。正しさを守るのがよい。初めは吉だが、終わりには乱れる。初九、車の輪を後ろへ引き、狐が尾を濡らすように慎重に渡る。咎はない。六二、婦人が車の覆いを失う。追うな。七日たてば戻ってくる。九三、高宗(こうそう、殷の中興の王武丁)が鬼方(きほう、北方の異民族)を討ち、三年かかってこれに勝つ。小人を用いてはならない。六四、舟の漏れに備えて古布を用意し、一日中戒める。九五、東の隣国が牛を殺して盛大に祭るのは、西の隣国がささやかな夏の祭りで実際にその福を受けるのに及ばない。上六、頭まで濡らしてしまう。危うい。彖伝にいう。
解説
関連する章句
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易経・中孚卦初九の虞りて吉は、志未だ変ぜざればなり。其の子之に和すとは、中心より願ふなり。可(ある)いは鼓し或いは罷むとは、位当らざればなり。馬匹亡ふとは、類を絶ちて上るなり。孚有りて攣如たりとは、位正当なればなり。翰音天に登るとは、何ぞ長かるべけんや。周易 第六十二卦。艮下震上。易経。小過は、亨る、貞に利あり。小事には可なり、大事には可ならず。飛鳥之が音を遺す、上るに宜しからず下るに宜し、大吉。初六、飛鳥以て凶。六二、其の祖を過ぎて、其の妣(ひ)に遇ふ。其の君に及ばずして、其の臣に遇ふ、咎无し。九三、過ぎずして之を防げ、従へば或いは之を戕(そこな)ふ、凶。九四、咎无し、過ぎずして之に遇ふ。往けば厲ふし、必ず戒めよ、用て永く貞にする勿かれ。六五、密云(みつうん)雨ふらず、我が西郊よりす。公弋(いぐるみ)して彼の穴に在るを取る。上六、遇はずして之を過ぐ、飛鳥之に離(かか)る、凶、是を災眚(さいせい)と謂ふ。彖に曰く、
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易経・彖伝小過(しょうか)は、小なる者過ぎて亨(とお)るなり。過ぐるに貞(ただ)しきに利(よ)ろしとは、時と与(とも)に行けばなり。柔中を得たり、是を以て小事に吉なり。剛は位を失いて中ならず、是を以て大事にすべからざるなり。飛鳥の象(しょう)有り。「飛鳥之(これ)が音を遺(のこ)す、上るに宜(よろ)しからず、下るに宜し、大いに吉」とは、上るは逆にして下るは順なればなり。
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易経・既濟卦其の輪を曳くとは、義として咎无きなり。七日にして得んとは、中道を以てなり。三年にして之に克つとは、憊(つか)るるなり。終日戒むとは、疑ふ所有るなり。東隣の牛を殺すは、西隣の時なるに如かざるなり。実に其の福を受くとは、吉大いに来るなり。其の首を濡らす厲ふしとは、何ぞ久しかるべけんや。周易 第六十四卦。坎下離上。易経。未済は、亨る。小狐汔(ほとん)ど済(わた)らんとして、其の尾を濡らす、利しき攸无し。初六、其の尾を濡らす、吝。九二、其の輪を曳く、貞にして吉。六三、未だ済らず、征けば凶、大川を渉るに利あり。九四、貞にして吉、悔亡ぶ。震(ふる)ひて用て鬼方を伐ち、三年にして大国に賞有り。六五、貞にして吉、悔无し。君子の光、孚有り、吉。上九、孚有りて酒を飲む、咎无し。其の首を濡らせば、孚有れども是を失ふ。彖に曰く、
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易経・大過卦藉くに白茅を用うとは、柔下に在るなり。老夫女妻とは、過ぎて以て相与するなり。棟橈むの凶は、以て輔有るべからざるなり。棟隆きの吉は、下に橈まざるなり。枯楊華を生ず、何ぞ久しかるべけんや。老婦士夫、亦醜ずべきなり。過ぎて渉るの凶は、咎むべからざるなり。周易 第二十九卦。坎下坎上。易経。習坎は、孚有り、維れ心亨る。行けば尚ばるる有り。初六、習坎、坎窞に入る、凶。九二、坎に険有り、求めて小しく得。六三、来たるも之くも坎坎たり、険にして且つ枕す、坎窞に入る、用うる勿かれ。六四、樽酒簋弐、缶を用う、約を納るるに牖よりす、終に咎无し。九五、坎盈たず、祗に既に平らかなり、咎无し。上六、係ぐに徽纆を用い、叢棘に寘く、三歳まで得ず、凶。彖に曰く、
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易経・彖伝「既済(きせい)は亨(とお)る」とは、小なる者の亨るなり。「貞(ただ)しきに利(よ)ろし」とは、剛柔正しくして位當(あ)たればなり。「初め吉なり」とは、柔中を得ればなり。「終わりに止まれば則ち乱る」とは、其の道窮(きわ)まればなり。
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易経・益卦元吉にして咎无しとは、下は事を厚くせざるなり。或いは之を益すとは、外より来るなり。益すに凶事を用ゐるとは、固(もと)より之を有すればなり。公に告ぐれば従はるとは、以て志を益すなり。孚有りて心を恵むとは、之を問ふ勿きなり。我が徳を恵とすとは、大いに志を得るなり。之を益すこと莫しとは、偏辞なり。或いは之を撃つとは、外より来るなり。周易 第四十三卦。乾下兌上。易経。夬(かい)は、王庭に揚ぐ。孚ありて号(さけ)ぶ、厲(あや)ふきこと有り。告ぐること邑よりす、戎(じゅう)に即くに利あらず、往く攸有るに利あり。初九、前(すす)む趾に壮んなり、往きて勝たざれば咎と為す。九二、惕(おそ)れて号ぶ、莫夜(ぼや)に戎有るも、恤ふる勿かれ。九三、頄(つらぼね)に壮んなり、凶有り。君子は夬夬(かいかい)として、独り行きて雨に遇ふ、濡るるが若くして慍(いか)らるること有るも、咎无し。九四、臀(しり)に膚无く、其の行くこと次且(ししょ)たり。羊を牽けば悔亡ぶも、言を聞きて信ぜず。九五、莧陸(けんりく)夬夬たり、中行なれば咎无し。上六、号ぶこと无し、終に凶有り。彖に曰く、
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