弟子規 / 信・見人善
見人善、即思齊、縱去遠、以漸躋 見人惡、即內省、有則改、無加警
新字:見人善、即思斉、縦去遠、以漸躋 見人悪、即内省、有則改、無加警
書き下し
人の善を見ては、即ち斉しからんことを思え。縦い去ること遠くとも、漸を以て躋らん。 人の悪を見ては、即ち内に省みよ。有らば則ち改め、無くば警めを加えよ。
現代語訳
他人の善い行いを見たら、すぐに自分も並びたいと思いなさい。たとえ差が遠く離れていても、少しずつ歩めば追いつけます。 他人の悪い行いを見たら、すぐに自分の内を省みなさい。同じ過ちがあれば改め、なければ、いっそう気をつけなさい。
解説
『論語』里仁篇の「賢を見ては斉しからんことを思い、不賢を見ては内に自ら省みる」を、三字句に言い直した条です。人を見るたびに、それを自分を映す鏡として使うことを勧めています。優れた同僚を見て妬むのではなく、どうすれば並べるかを考える。失敗した人を見て批評するのではなく、自分に同じ芽がないか点検する。この向きの違いが、数年後の成長の差になります。遠く離れて見えても、少しずつ進めば届くという一句は、焦りを鎮めてくれます。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見るこの章句が説くこと
見賢思斉内省漸改警論語
関連する章句
-
尚書・無逸小人汝を怨み汝を詈らば、則ち皇に自ら德を敬しめ。
-
葉隠・聞書第一浪人の身にて、上を怨み候事〔あり〕。何某(なにがし)浪人、内実(ないじつ)に非を知りて崩す。前方(ぜんぽう)仰付(おおせつけ)御断(おことわ)り、二度目に御請誓詞(おうけせいし)の事。同筋(どうすじ)にて浪人の事。斯様(かよう)の我が非を存ぜざる間(あいだ)は、帰参有るまじき事。今にも御情(おなさけ)無きの、誰がにくい者などと計(ばか)り、胸をこがし候て、なお天道(てんとう)の悪(にく)みを受くるなり。何某の評判に、御罰(おばち)よと申されたるとなり。人がのがれぬなり。罪一人に有りと思い返され候え。
-
言志四録・言志後録 第八条 往時の経歴を追思す人は当に往時経歴の事迹を追思すべし。某年為す所、孰れか是れ当否、孰れか是れ生熟。某年謀る所、孰れか是れ穏妥、孰れか是れ過差。此を以て将来の鑑戒と為して可なり。然らずんば、徒爾に汲汲営営として、前途を算へ、来日を計るも、亦何の益か之れ有らん。又尤も当に幼穉の時の事を憶ひ起こすべし。父母鞠育乳哺の恩、顧復懐抱の労、撫摩憫恤の厚き、訓戒督責の切なる、凡そ其の艱苦して我を長養せし所以の者、悉く以て之を追思せざる無くんば、則ち今の自ら吾が身を愛して、肯へて自ら軽んぜざる所以の者も、亦宜しく至らざる所無かるべし。
-
『酔古堂剣掃』集法・靜坐して然る後に氣の浮けるを知る靜坐して然る後に平日の氣の浮けるを知り、默を守りて然る後に平日の言の躁がしきを知り、事を省きて然る後に平日の閑を貴ぶを知り、戶を閉ぢて然る後に平日の交はりの濫りなるを知り、欲を寡なくして然る後に平日の病ひの多きを知り、情に近づきて然る後に平日の念の刻なるを知る。
-
『酔古堂剣掃』集法・行ひ垢づきて湔はず衣垢づきて湔はず、器缺けて補はざれば、人に對して猶ほ慚色有り。行ひ垢づきて湔はず、德缺けて補はざれば、天に對して豈に愧心無からんや。
-
易経・觀卦周易 第二十卦。坤下巽上。易経。観は、盥いて荐めず、孚有りて顒若たり。初六、童観す、小人は咎无し、君子は吝。六二、窺い観る、女の貞に利ろし。六三、我が生を観て、進退す。六四、国の光を観る、用て王に賓たるに利ろし。九五、我が生を観る、君子なれば咎无し。上九、其の生を観る、君子なれば咎无し。彖に曰く、