智囊 / 小慧・韓昭侯・子之・綦毋恢
韓昭侯握瓜而佯亡一瓜,求之甚急。左右因割其瓜而效之,昭侯以此察左右之誠。子之相燕,坐而佯言曰:「走出門者何白馬也。」左右皆言不見,有一人走追之,報曰:「有。」子之以此知左右之不誠信。韓咎立為君,未定也,弟在周,周欲重之,而恐韓之不立也。綦母恢曰:「不若以車百乘送之。得立,因曰為戒;不立,則曰來效賊也。」
新字:韓昭侯握瓜而佯亡一瓜,求之甚急。左右因割其瓜而効之,昭侯以此察左右之誠。子之相燕,坐而佯言曰:「走出門者何白馬也。」左右皆言不見,有一人走追之,報曰:「有。」子之以此知左右之不誠信。韓咎立為君,未定也,弟在周,周欲重之,而恐韓之不立也。綦母恢曰:「不若以車百乗送之。得立,因曰為戒;不立,則曰来効賊也。」
書き下し
韓の昭侯は瓜を握りて佯りて一瓜を亡うとし、之を求むること甚だ急なり。左右は因りて其の瓜を割きて之を効す、昭侯は此を以て左右の誠を察す。子之は燕に相たり、坐して佯り言いて曰く、「門を走り出ずる者は何ぞ白馬なるや」と。左右は皆な見ずと言う、一人の走りて之を追う有り、報じて曰く、「有り」と。子之は此を以て左右の誠信ならざるを知る。韓咎は立ちて君と為るも、未だ定まらざるなり、弟は周に在り、周は之を重んぜんと欲するも、韓の立たざらんことを恐る。綦母恢曰く、「車百乗を以て之を送るに若かず。立つを得れば、因りて戒めと為すと曰い、立たざれば、則ち来たりて賊に効うと曰わん」と。
現代語訳
韓の昭侯は手に瓜を握り、わざと一つ失くしたふりをして、たいそう急いで捜させた。側近たちは自分たちの瓜を割って差し出した。昭侯はこれによって側近たちの誠実さを見抜いた。子之は燕の宰相だったとき、座ったまま偽って言った。「門を走り出て行ったのは何の白馬だ。」側近たちはみな見なかったと言ったが、一人が走って追いかけ、戻って「おりました」と報告した。子之はこれによって側近たちが誠実でないことを知った。韓咎が即位して君主になったものの、まだ地位が安定していなかった。その弟は周にいて、周は弟を重んじたいと思ったが、韓咎が立たないことを恐れた。綦母恢は言った。「車百乗でこれを送り届けるのがよい。韓咎が立てば、戒めとして送ったと言い、立たなければ、賊に倣いに来たと言えばよい。」
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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史記 南越列伝使者皆東郷し、太后南郷し、王北郷し、相嘉・大臣皆西郷し、侍坐して飲む。嘉の弟将為り、卒を将ゐて宮外に居る。酒行はれ、太后嘉に謂ひて曰く、「南越の内属は、国の利なり、而るに相君苦だ便ならずとする者は、何ぞや」と。以て使者を激怒せしめんとす。使者狐疑して相杖り、遂に敢て発する莫し。嘉耳目の是に非ざるを見て、即ち起ちて出づ。太后怒り、嘉を鏦くに矛を以てせんと欲す、王太后を止む。嘉遂に出で、其の弟の兵を分かちて舎に就き、病と称し、王及び使者に見ゆるを肯ぜず。乃ち陰に大臣と乱を作さんとす。王素より嘉を誅するに意無し、嘉之を知る、故を以て数月発せず。太后淫行有り、国人附かず、独り嘉等を誅せんと欲するも、力又能はず。天子嘉の王に聴かず、王・王太后弱孤にして制すること能はず、使者怯えて決無きを聞く。又以為へらく王・王太后已に漢に附く、独り呂嘉乱を為す、以て兵を興すに足らずと、荘参をして二千人を以て往きて使ひせしめんと欲す。参曰く、「好を以て往かば、数人にて足れり。武を以て往かば、二千人以て為す足る無し」と。辞して可かず、天子参を罷む。郟の壮士、故の済北の相韓千秋奮ひて曰く、「区区たる越を以て、又王・太后の応ずる有り、独り相呂嘉害を為す、願はくは勇士二百人を得て、必ず嘉を斬りて以て報ぜん」と。是に於て天子千秋と王太后の弟樛楽とを遣はし二千人を将ゐて往かしめ、越の境に入る。呂嘉等乃ち遂に反し、令を国中に下して曰く、「王年少し。太后は、中国の人なり、又使者と乱し、専ら内属を欲し、尽く先王の宝器を持して入りて天子に献じて以て自ら媚び、多く人を従へ、行きて長安に至り、虜売して以て僮僕と為さんとす。自ら一時の利を脱するを取り、趙氏の社稷を顧み、万世の為に慮計するの意無し」と。乃ち其の弟と卒を将ゐて王・太后及び漢の使者を攻め殺す。
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『甲陽軍鑑』品第十四さありて此度長篠にて勝頼公の人数甲州衆うへの原に加藤丹後を残し置き、其余は一円に立て是八千なり、上野衆四千信濃より六千合せて一万八千の内、鳶が巣に千又長篠城奥平押へに千おきて、残る一万六千をもつて七万あまりの人数の節所を三ツまで搆へ、柵の木を三重にふりて待ちかまへてゐる所へ、面もふらずかゝるは、敵四人こなた一人のつもりなれ共、節所と柵の木とを考れば是又敵に十万の加勢なり、縦へば十七万の人数の籠りたる城を一万六千にて責めたるごとくなり、信玄公つねの智略にも千籠りたる城をば、二四の人数にてせめんと定め給ふ、五千にてはことあやうしと有り、
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