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智囊 / 集哲・王冀公孫女

陳恭公執中當國日,曾魯公由起居注除待制。恭公弟婦,王冀公孫女,曾氏出也。歲旦拜恭公,公迎謂曰:「六新婦,曾三除從官喜否?」王固未嘗歸外家,輒答曰:「三舅甚荷相公收錄,但太夫人不樂,責三舅曰:『汝三人及第,必是全廢學,丞相姻家,備知之,故除待制也。』」恭公嘿然,未幾改知制誥,蓋恭公不由科舉,失於查考,女子之警敏如此。

新字:陳恭公執中当国日,曽魯公由起居注除待制。恭公弟婦,王冀公孫女,曽氏出也。歳旦拝恭公,公迎謂曰:「六新婦,曽三除従官喜否?」王固未嘗帰外家,輒答曰:「三舅甚荷相公収録,但太夫人不楽,責三舅曰:『汝三人及第,必是全廃学,丞相姻家,備知之,故除待制也。』」恭公嘿然,未幾改知制誥,蓋恭公不由科舉,失於查考,女子之警敏如此。

書き下し

陳恭公執中が国政に当たっていた日、曾魯公は起居注から待制に除せられた。恭公の弟の婦は、王冀公の孫女で、曾氏の出である。歳旦に恭公を拝すると、公は迎えて言った、「六新婦よ、曾三が従官に除せられて喜んでいるか。」王氏はもとより外家に帰ったことがなかったが、たちまち答えた、「三舅は相公の収録を甚だ荷っております。ただ太夫人は楽しまず、三舅を責めて、『汝ら三人は及第したが、必ず全く学を廃しているのであろう。丞相は姻家で、よく知っておられるから、待制に除せられたのだ』と申されました。」恭公は黙然とした。幾らもなく知制誥に改められた。思うに恭公は科挙によらず、考査に失があったのである。女子の警敏はかくの如くであった。

現代語訳

陳執中(恭公)が宰相として国政を担当していた頃、曾魯公(曾公亮)は起居注から待制に任ぜられた。恭公の弟の妻は、王冀公の孫娘で、曾氏の出身であった。元日に恭公に挨拶に行くと、公は迎えて言った。「六番目の嫁よ、曾三が侍従官になって喜んでいるか。」王氏はもともと実家に帰ることもなかったが、すぐに答えた。「三番目の叔父は相公のお引き立てを深く感謝しております。ただ、祖母が喜ばず、三番目の叔父を叱って、『お前たち三人は進士に及第したが、きっと学問を全く怠っているのでしょう。丞相は姻戚で、そのことをよくご存じだから、待制になさったのです』と申しました。」恭公は黙りこんだ。まもなく、曾は知制誥に改められた。恭公は科挙を経ていないために、人物の考査に落ち度が生じたのである。女性の機転と鋭さは、このとおりであった。

解説

待制が学識の官であるのに対し、知制誥は詔勅を起草する、より文才を問う役目です。王氏は、実家の祖母の言葉という形で、曾氏の学問が足りないのではと、宰相の人事への疑問をさりげなく伝えました。面と向かっての批判ではなく、第三者の発言として婉曲に伝える形のため、角が立たず、宰相も黙って受け止めて人事を改めています。上司の判断に異論があるときは、事実と他者の声を静かに届け、相手が自分で気づく余地を残すと効果的です。ただし、原文は評の中心が文面の末尾に簡潔に書かれているだけで、事情の細部には確かでない所があります。

この章句が説くこと

待制知制誥姻家人材登用婉曲諫言

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