導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

智囊 / 詭道・劉鄩・畢再遇

劉鄩敗晉王於河曲,欲乘勝潛走太原。慮為晉軍追,乃結芻為人,縛旗於上,以驢負之,循堞而行。數日,晉人方覺。畢再遇嘗與金人對壘。一夕拔營去,留旗幟於營,豫縛生羊,置其前二足於鼓上,擊鼓有聲,金人不覺為空營。復相持數日,及覺,欲追之,則已遠矣。

新字:劉鄩敗晋王於河曲,欲乗勝潜走太原。慮為晋軍追,乃結芻為人,縛旗於上,以驢負之,循堞而行。数日,晋人方覚。畢再遇嘗与金人対塁。一夕抜営去,留旗幟於営,予縛生羊,置其前二足於鼓上,撃鼓有声,金人不覚為空営。復相持数日,及覚,欲追之,則已遠矣。

書き下し

劉鄩、晋王を河曲に敗り、勝ちに乗じて潜かに太原に走らんと欲す。晋軍の追う所と為らんことを慮り、乃ち芻を結びて人を為り、旗を上に縛り、驢を以てこれを負わしめ、堞に循いて行かしむ。数日して、晋人方に覚る。畢再遇、嘗て金人と対塁す。一夕、営を抜きて去り、旗幟を営に留め、豫め生羊を縛り、其の前の二足を鼓の上に置き、鼓を擊てば声有らしむ。金人、覚らずして空営と為す。復た相持すること数日、覚るに及び、これを追わんと欲すれば、則ち已に遠し。

現代語訳

劉鄩は晋王を河曲で破り、勝ちに乗じて、ひそかに太原へ向かおうとした。晋軍に追われることを心配し、そこで藁を束ねて人形を作り、旗を上に縛りつけ、ロバに背負わせて、城壁のへりに沿って歩かせた。数日して、晋の人々はようやく気づいた。畢再遇はかつて金の軍と陣を向かい合わせた。ある夜、陣を引き払って去り、旗を陣に残し、あらかじめ生きた羊を縛って、その前足二本を太鼓の上に置き、羊が動くと太鼓が鳴るようにした。金の軍は気づかず、空の陣を相手にした。さらに数日にらみ合い、気づいて追おうとした時には、すでに遠くへ去っていた。

解説

二つとも撤退の策で、敵の目に残る気配を偽装して時間を稼いでいます。劉鄩は藁人形を旗とともにロバに運ばせ、畢再遇は生きた羊の足で太鼓を鳴らさせました。どちらも、人がいるように見えさえすれば、敵は動かないという心理を使った工夫です。撤退は最も難しい局面の一つで、勝った直後でも、追撃を受ければ成果を失いかねません。現代の事業でも、撤退や縮小の局面は、相手に悟られないように段取りを組む必要があります。撤退を恥とせず、被害を最小にする周到さを持つことが、管理職の力量と言えるでしょう。小さな道具立てで足りる点にも注目です。

この章句が説くこと

結芻為人生羊撃鼓空営撤退時間稼ぎ危機管理

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る