智囊 / 敏悟・劉瑊
辛未會試,江陰袁舜臣作謎詩於燈上,云:「六經蘊籍胸中久,一劍十年磨在手。杏花頭上一枝橫,恐泄天機莫露口。一點累累大如斗,掩卻半牀何所有?完名直待掛冠歸,本來面目君知否?」諸人不辨,唯劉瑊一見知之。乃「辛未狀元」四字。
新字:辛未会試,江陰袁舜臣作謎詩於灯上,云:「六経蘊籍胸中久,一剣十年磨在手。杏花頭上一枝横,恐泄天機莫露口。一点累累大如斗,掩却半牀何所有?完名直待掛冠帰,本来面目君知否?」諸人不弁,唯劉瑊一見知之。乃「辛未状元」四字。
書き下し
辛未の会試、江陰の袁舜臣、謎詩を燈上に作して云う、「六経蘊籍、胸中に久し、一剣十年、手に磨く。杏花頭上、一枝横たわる、天機を泄らさんことを恐れ、口を露わにする莫れ。一点累累、大なること斗の如し、半牀を掩却して何の有る所ぞ。完名直ちに待つ、冠を掛けて帰るを、本来の面目、君知るや否や」と。諸人弁ぜず、唯だ劉瑊のみ、一見してこれを知る。乃ち「辛未状元」の四字なり。
現代語訳
辛未の年の会試(科挙の試験)のとき、江陰の袁舜臣が燈籠に謎の詩を書いた。「六経の蘊蓄は胸の中に久しく、一振りの剣を十年手に磨いた。杏の花の頭の上に一枝が横たわり、天機を漏らすのを恐れて口に出すな。一つの点が連なって斗ほどに大きく、寝台の半分を覆い隠すものは何か。名声を完うするのは官を辞して帰るのを待ち、本来の面目を、君は知っているか。」人々は解けなかったが、劉瑊だけが一目で分かった。それは「辛未状元」の四字であった。
解説
科挙の試験期間に出された燈籠の謎詩を、劉瑊だけが一目で解いた話です。答えは辛未状元の四字で、当然ながら、まさにその年の首席合格者を言い当てたことになります。謎詩を作った袁舜臣は、自分の自信や野心を詩に託し、周囲に挑戦する形で示しました。ここに、成功する人は問題の本質を素早く見抜くという示唆が読めますが、そもそも謎の内容と結果が一致したかは、後から語られた話であり、確かではありません。管理職は、自分の目標や野心を、適切な形で周囲に示す発信の方法についても考えてよいでしょう。
この章句が説くこと
辛未状元謎詩劉瑊袁舜臣灯謎目標の発信
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