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智囊 / 應卒・張愷

張愷,鄞縣人。宣德三年,以監生為江陵令。時征交趾大軍過,總督日晡立取火爐及架數百,愷即命木工以方漆桌鋸半腳,鑿其中,以鐵鍋實之。已又取馬槽千餘,即取針工各戶婦人,以棉布縫成槽,槽口綴以繩,用木樁張其四角,飼馬食過便收卷,前路足用。遂以為法。〔述評〕後周文襄薦為工部主事,督運大得其力。嗟乎!此監生也,用人可以資格限乎?

新字:張愷,鄞県人。宣徳三年,以監生為江陵令。時征交趾大軍過,総督日晡立取火炉及架数百,愷即命木工以方漆桌鋸半脚,鑿其中,以鉄鍋実之。已又取馬槽千余,即取針工各戸婦人,以棉布縫成槽,槽口綴以縄,用木樁張其四角,飼馬食過便収巻,前路足用。遂以為法。〔述評〕後周文襄薦為工部主事,督運大得其力。嗟乎!此監生也,用人可以資格限乎?

書き下し

張愷は鄞県の人。宣徳三年、監生を以て江陵の令となる。時に交趾を征する大軍過ぎ、総督、日晡に立ちどころに火炉及び架数百を取る。愷、即ち木工に命じ、方漆桌を以て半脚を鋸り、その中を鑿ち、鉄鍋を以てこれを実たしむ。已にしてまた馬槽千余を取る。即ち針工の各戸の婦人を取り、棉布を以て槽に縫い成し、槽口に縄を綴り、木椿を用いてその四角を張り、馬に飼いて食い過ぎれば便ち収め巻き、前路の用に足る。遂に以て法と為す。〔述評〕のち周文襄、薦めて工部主事となし、督運大いにその力を得たり。ああ、この監生や、人を用うるに資格を以て限るべけんや。

現代語訳

張愷は鄞県の人である。宣徳三年、監生の身分で江陵県の長官となった。そのころ交趾を討つ大軍が通過し、総督が夕方になって、すぐに火炉と架台を数百用意するよう求めた。張愷はすぐに大工に命じ、四角い漆塗りの机の脚を半分に切り、中をくり抜いて、鉄鍋をはめ込ませた。しばらくして、今度は馬のかいば桶を千余り求められた。そこで裁縫を生業とする各戸の女たちを集め、綿布で桶を縫わせ、桶の口に縄を通し、木の杭で四隅を張って、馬に食べさせたあとは巻いて収められるようにし、先の道中にも使えるようにした。そこでこれをやり方として定めた。〔述評〕のちに周文襄が推薦して工部主事とし、物資輸送で大いにその力を発揮した。ああ、この一介の監生を、資格で縛ってよいものだろうか。

解説

大軍が通過する夕方に突然求められた火炉と馬槽を、手持ちの机と綿布で仕立てた現場対応の話です。机の脚を切って鍋をはめれば火炉になり、綿布の桶は食べ終えれば巻いて持ち運べます。しかも一度作った型を制度として定着させ、次の行軍にも使えるようにしました。評が言うのは、こうした実務の才を、学歴や資格だけで評価してはならないということです。管理職は、制約の中で形を作り替える人を、肩書や経歴に関係なく見抜いて登用する必要があります。急場の工夫を仕組みにまで高めたことも、再現性を生む大切な視点です。

この章句が説くこと

鉄鍋馬槽棉布縫槽遂以為法人材登用資格

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