智囊 / 得情・王罕
罕知潭州,州有婦病狂,數詣守訴事,出語無章,卻之則悖罵,前守屢叱逐。罕至,獨引令前,委曲問之,良久,語漸有次第,蓋本為人妻,無子,夫死妾有子,遂逐而據其貲,以屢訴不得直,憤恚發狂也,罕為治妾,而反其貲,婦尋愈。罕,王珪季父。
新字:罕知潭州,州有婦病狂,数詣守訴事,出語無章,却之則悖罵,前守屡叱逐。罕至,独引令前,委曲問之,良久,語漸有次第,蓋本為人妻,無子,夫死妾有子,遂逐而拠其貲,以屡訴不得直,憤恚発狂也,罕為治妾,而反其貲,婦尋愈。罕,王珪季父。
書き下し
罕、潭州に知たり。州に婦の狂を病む者有り、数ば守に詣りて事を訴う。語を出すこと章無し。之を却くれば則ち悖罵す。前守は屢ば叱逐す。罕至り、独り引きて前に令し、委曲に之を問う。良や久しくして語は漸く次第有り。蓋し本は人の妻と為り、子無し。夫死して妾に子有り、遂に逐われて其の貲を拠られしなり。屢ば訴うるも直を得ず、憤恚して狂を発せり。罕は為に妾を治め、而して其の貲を反す。婦は尋いで愈ゆ。罕は王珪の季父なり。
現代語訳
王罕が潭州の知事であったとき、州に、狂気を病んでいる女性がいた。何度も長官のもとに来て訴えを述べたが、話に筋道がなかった。追い払えば罵って暴れた。前任の長官は、たびたび叱って追い払った。王罕は着任すると、彼女だけを前に呼び、丁寧に事情を尋ねた。しばらくして、言葉は次第に筋が通ってきた。聞けば、もとは人の妻であったが、子がなかった。夫が死ぬと、妾に子がいて、妾に追い出されて財産を奪われたのだった。何度訴えても聞き入れられず、憤りのあまり気が狂ったのである。王罕は彼女のために妾を処罰し、財産を取り戻してやった。女性はまもなく病が癒えた。王罕は王珪の末の叔父である。
解説
この章句が説くこと
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