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智囊 / 經務・虞集

元虞集,仁宗時拜祭酒,講罷,因言京師恃東南海運,而實竭民力以航不測,乃進曰:「京東瀕海數千里,皆萑葦之場,北極遼海,南濱青、齊,海潮日至,淤為沃壤久矣,苟用浙人之法,築堤捍水為田,聽富民欲得官者,分授其地而官為之限:能以萬夫耕者,授以萬夫之田,為萬夫長;千夫、百夫亦如之。三年視其成,則以地之高下,定額於朝,而以次徵之。五年有積蓄,乃命以官,就所儲給以祿。十年則佩之符印,俾得以傳子孫,則東南民兵數萬,可以近衛京師,外御島夷,遠寬東南海運之力,內獲富民得官之用,淤食之民得有所歸,自然不至為盜矣。」說者不一,事遂寢。

新字:元虞集,仁宗時拝祭酒,講罷,因言京師恃東南海運,而実竭民力以航不測,乃進曰:「京東瀕海数千里,皆萑葦之場,北極遼海,南浜青、斉,海潮日至,淤為沃壤久矣,苟用浙人之法,築堤捍水為田,聴富民欲得官者,分授其地而官為之限:能以万夫耕者,授以万夫之田,為万夫長;千夫、百夫亦如之。三年視其成,則以地之高下,定額於朝,而以次徴之。五年有積蓄,乃命以官,就所儲給以禄。十年則佩之符印,俾得以伝子孫,則東南民兵数万,可以近衛京師,外御島夷,遠寛東南海運之力,内獲富民得官之用,淤食之民得有所帰,自然不至為盗矣。」説者不一,事遂寝。

書き下し

元の虞集、仁宗の時に祭酒に拝せらる。講罷みて、因りて言う、「京師は東南の海運に恃むも、実は民力を竭くして以て不測に航す」と。乃ち進みて曰く、「京東の瀕海数千里は、皆な萑葦の場にして、北は遼海を極め、南は青、斉に濱し、海潮日に至りて、淤して沃壌と為ること久し。苟くも浙人の法を用い、堤を築き水を捍ぎて田と為し、富民の官を得んと欲する者に聴して、其の地を分授して官は之が限を為さば、能く万夫を以て耕す者には、万夫の田を授けて万夫長と為す。千夫、百夫も亦た之の如くせん。三年にして其の成るを視、則ち地の高下を以て、額を朝に定め、次を以て之を徴す。五年にして積蓄有らば、乃ち官を命じ、儲うる所に就きて給するに禄を以てす。十年にして則ち之に符印を佩びしめ、子孫に伝うるを得せしめば、則ち東南の民兵数万、以て近く京師を衛り、外は島夷を御し、遠くは東南の海運の力を寛くし、内は富民の官を得るの用を獲、淤食の民は帰する所有るを得て、自然に盗を為すに至らざらん」と。説く者一ならず、事遂に寝む。

現代語訳

元の虞集は、仁宗の時に国子祭酒に任じられた。講義が終わると、言った。「都は東南からの海上輸送に頼っていますが、実際には民の力を使い果たし、予測のつかない海を航行しています」。そこで進み出て言った。「都の東の沿海数千里は、すべて葦の生い茂る荒れ地で、北は遼の海に至り、南は青州と斉の地に接し、潮が毎日押し寄せ、泥が堆積して肥沃な土壌となって久しいのです。もし浙江の人の方法を用い、堤を築いて水を防ぎ田とし、官職を得たいと願う富裕な者にその土地を分け与え、官が限度を定めれば、一万人で耕せる者には一万人分の田を授けて万夫長とします。千人、百人の場合も同様です。三年でその成果を見て、土地の高低に応じて朝廷で額を定め、順に徴収します。五年で蓄えができたなら、官職を命じて、蓄えに応じて俸給を与えます。十年で割符と印を持たせ、子孫に伝えることを許せば、東南の民兵数万が、近くは京師を守り、外は島の異民族を防ぎ、遠くは東南の海上輸送の負担を軽くし、内には富裕な者が官職を得るという利用を実現し、泥の土地で食を求める民も落ち着く先を得て、自然と盗賊にならなくなります」。論じる者は一様ではなく、この事は結局立ち消えになった。

解説

虞集の提案は、海運に頼る都の食糧供給を、沿岸の荒れ地の開墾によって内陸から賄い、官職を望む富裕層に開発を担わせるというものです。段階ごとに成果を評価し、五年、十年という長い目で官職や世襲を与える仕組みは、投資する側にとって魅力的でした。ただし反対意見が割れて実現しませんでした。現代でも、長期の構想で外部の資金や人材を巻き込む案は、短期の成果を求める声や意見の割れで見送られがちです。段階的な検証と見返りの設計で、反対者を説得する材料を揃えておくことが必要です。

この章句が説くこと

築堤捍水為田万夫長三年視其成長期構想人材登用民間活用

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