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智囊 / 迎刃・張方平・秦檜

元昊既臣,而與契丹有隙,來請絕其封。知諫院張方平曰:「得新附之小羌,失久和之強敵,非計也。宜賜元昊詔,使之審處,但嫌隙朝除,則封冊暮下,於西、北為兩得矣。」時用其謀。建炎初,虜使講和,云:「使來,必須百官郊迎其書。」在廷失色。秦檜恬不為意,盡遣部省吏人迎之。朝見,使人必要褥位。是日,檜令朝見,殿廷之內皆以紫幕銷滿,北人無辭而退。

新字:元昊既臣,而与契丹有隙,来請絶其封。知諫院張方平曰:「得新附之小羌,失久和之強敵,非計也。宜賜元昊詔,使之審処,但嫌隙朝除,則封冊暮下,於西、北為両得矣。」時用其謀。建炎初,虜使講和,云:「使来,必須百官郊迎其書。」在廷失色。秦檜恬不為意,尽遣部省吏人迎之。朝見,使人必要褥位。是日,檜令朝見,殿廷之内皆以紫幕銷満,北人無辞而退。

書き下し

元昊既に臣となるも、契丹と隙有り、来たりて其の封を絶たんことを請う。知諫院張方平曰く、「新附の小羌を得て、久和の強敵を失うは、計に非ざるなり。宜しく元昊に詔を賜い、之をして審らかに処せしむべし。但だ嫌隙は朝に除かれ、則ち封冊は暮れに下れば、西・北に於いて両つながら得ると為さん」と。時に其の謀を用う。建炎の初め、虜の使い和を講ず。云う、「使い来たれば、必ず須く百官が郊に其の書を迎うべし」と。在廷は色を失う。秦檜は恬として意と為さず、尽く部省の吏人を遣わして之を迎えしむ。朝見するに、使人は必ず褥位を要む。是の日、檜は朝見せしむるに、殿廷の内は皆な紫幕を以て銷め満たし、北人は辞無くして退く。

現代語訳

元昊が宋に臣従した後、契丹との間に不和が生じ、契丹は宋に元昊の封爵を取り消すよう求めてきた。知諫院の張方平は言った。「新しく従った小さな羌族を得るために、長く和していた強敵を失うのは、よい計ではありません。元昊に詔を賜い、よく考えて処置させるべきです。ただ、わだかまりが朝に除かれれば、夕方には封冊が下るようにすれば、西も北も両方得られましょう」。当時はこの策が用いられた。建炎の初め、金の使者が和議を求めた。言うには、「使者が来たら、必ず百官が郊外で国書を出迎えること」と。朝廷の者たちは顔色を失った。秦檜は平然として気にもかけず、部省の役人たちをすべて遣わして出迎えさせた。朝見の際、使者は必ず褥の座を要求した。その日、秦檜は朝見を行わせたが、宮殿の中はすべて紫の幕で隙間なく覆われ、北の使者は言い返す言葉もなく退いた。

解説

張方平は、新参の同盟者と長年の強敵の間で、片方を捨てる二択を迫られながら、時間を使って両方を得る道を提案しました。わだかまりを解く間に、封冊を保留することで、相手に猶予を与えつつ関係を保つ形です。後半の秦檜の話は、屈辱的な要求に百官が色を失う中、出迎えは実務の官吏に任せ、座の要求も幕で覆って無効にしました。形式の要求に正面から反論せず、受け入れつつ実質を損なわない処理です。現代でも、取引先の無理な要求に、断るか呑むかではなく、形式は整えて実質を守る落としどころがあります。

この章句が説くこと

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