智囊 / 遠猶・阿豺
吐谷渾阿豺疾,有子二十人,召母弟慕利延曰:「汝取一隻箭折之。」慕利延折之。又曰:「汝取十九箭折之。」慕利延不能折。阿豺曰:「汝曹知乎?單者易折,眾者難摧,戮力同心,然後社稷可固。」〔馮述評〕周大封同姓,枝葉扶疏,相依至久。六朝猜忌,庇焉尋斧,覆亡相繼。不謂北狄中,乃有如此曉人!
新字:吐谷渾阿豺疾,有子二十人,召母弟慕利延曰:「汝取一隻箭折之。」慕利延折之。又曰:「汝取十九箭折之。」慕利延不能折。阿豺曰:「汝曹知乎?単者易折,衆者難摧,戮力同心,然後社稷可固。」〔馮述評〕周大封同姓,枝葉扶疏,相依至久。六朝猜忌,庇焉尋斧,覆亡相継。不謂北狄中,乃有如此暁人!
書き下し
吐谷渾の阿豺疾む、子二十人有り、母弟の慕利延を召して曰く、「汝は一隻の箭を取りて之を折れ」と。慕利延之を折る。又た曰く、「汝は十九箭を取りて之を折れ」と。慕利延折る能わず。阿豺曰く、「汝が曹知るか。単なる者は折れ易く、衆なる者は摧き難し。力を戮せ心を同じくして、然る後に社稷固かるべし」と。〔馮述評〕周は同姓を大いに封じ、枝葉扶疏として、相依ること至って久し。六朝は猜忌し、焉に庇われて斧を尋ね、覆亡相継ぐ。北狄の中に、乃ち此のごとく人に暁らかなる有るを謂わず。
現代語訳
吐谷渾の阿豺は病にかかり、子が二十人いたが、弟の慕利延を呼んで言った。「おまえは矢を一本取って折ってみよ」。慕利延は折った。また言った。「十九本の矢を取って折ってみよ」。慕利延は折れなかった。阿豺は言った。「おまえたちにわかるか。一本は折れやすいが、束になれば砕きにくい。力を合わせ心を一つにして、はじめて国は固まる」。〔馮夢龍の評〕周は同姓の者を広く封じ、枝葉が茂るようにして、長く支え合った。六朝は疑い合い、庇われた者が斧を探すように、滅亡が相次いだ。北方の異民族の中に、これほど物事に明るい者がいるとは思わなかった。
解説
この章句が説くこと
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