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文子 / 上德

老子曰:鳴鐸以聲自毀,膏燭以明自煎,虎豹之文來射,猿狖之捷來格,故勇武以強梁死,辯士以智能困。能以智而知,不能以智不知,如勇於一能,察於一辭,可與曲說,不可與廣應。

新字:老子曰:鳴鐸以声自毀,膏燭以明自煎,虎豹之文来射,猿狖之捷来格,故勇武以強梁死,弁士以智能困。能以智而知,不能以智不知,如勇於一能,察於一辞,可与曲説,不可与広応。

書き下し

老子曰く、鳴鐸は声を以て自ら毀ち、膏燭は明を以て自ら煎る。虎豹の文は射を来し、猿狖の捷は格を来す。故に勇武は強梁を以て死し、弁士は智能を以て困しむ。智を以て知る能うも、智を以て知らざる能わず。如し一能に勇に、一辞に察すれば、与に曲説す可く、与に広応す可からず。

現代語訳

老子は言った。鳴る鈴は音を出して自ら壊れ、油の燭は明るさで自らを焼く。虎や豹の紋様は射られる原因となり、猿の敏捷さは捕らえられる原因となる。だから勇武の者は強暴さで死に、弁舌の士は智恵と才能で苦しむ。智で知ることはできても、智で知らずにいることはできない。もし一つの技に勇み、一つの言葉に精通していれば、片隅の説は共に語れても、広く応じることはできない。

解説

才能が身を滅ぼすことを、鈴、燭、虎豹の模様、猿の敏捷さという四つの例で述べる段です。「鳴鐸は声を以て自ら毀ち、膏燭は明を以て自ら煎る」。最も目立つ長所が、そのまま弱点になるという見立てです。勇者は強暴で、弁士は才智で苦しむ。一つの技や言葉に秀でた人は、狭い範囲の説明には強くても、広く応じることができません。専門性の高い人材が、全体を見る立場に昇ると苦戦する場面を思わせます。長所を磨くほど、その裏にある危うさにも目を配れ、という指摘です。

この章句が説くこと

鳴鐸は声を以て自ら毀ち膏燭は明を以て自ら煎る勇武は強梁を以て死し弁士は智能を以て困しむ長所専門

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