文武訓 / 武訓下
一五兵の內、義兵、應兵は君子の用ふる所なり。忿兵、驕兵、貪兵の三は、君子の用ひざる所小人の用ふる所なり。一范文正公の曰、將の古今の事を知らざるは匹夫の勇なり。大將は、ひろく學問して、古今の事に通じて知るべし。一人の勇をたのむべからず。それは匹夫の事なり。
新字:一五兵の内、義兵、応兵は君子の用ふる所なり。忿兵、驕兵、貪兵の三は、君子の用ひざる所小人の用ふる所なり。一范文正公の曰、将の古今の事を知らざるは匹夫の勇なり。大将は、ひろく学問して、古今の事に通じて知るべし。一人の勇をたのむべからず。それは匹夫の事なり。
書き下し
一五兵の内、義兵、応兵は君子の用ふる所なり。忿兵、驕兵、貪兵の三は、君子の用ひざる所小人の用ふる所なり。一范文正公の曰、将の古今の事を知らざるは匹夫の勇なり。大将は、ひろく学問して、古今の事に通じて知るべし。一人の勇をたのむべからず。それは匹夫の事なり。
現代語訳
五つの兵のうち、義兵と応兵は君子の用いるところです。忿兵・驕兵・貪兵の三つは、君子の用いないところで、小人の用いるところです。范文正公(范仲淹)は「将が古今の事を知らないのは匹夫の勇である」と言いました。大将は広く学問して、古今の事に通じて知るべきです。自分一人の勇を頼みにしてはいけません。それは匹夫のすることです。
解説
五兵とは『漢書』魏相伝に見える分類で、乱を救う義兵、攻められてやむなく応じる応兵、怒りに任せる忿兵、国力を誇る驕兵、土地や財を欲しがる貪兵をいいます。後半の范仲淹は北宋の政治家で、武将狄青に書物を読むよう勧めたとき、この言葉を語ったと伝えられます。争いを起こす動機が怒りや驕り、欲であれば必ず道を誤ります。現代の訴訟や企業間の争いも同じです。自分の動機を問い、学んで視野を広げることが、匹夫の勇から抜け出す道なのです。
この章句が説くこと
義兵学問匹夫の勇范仲淹動機
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