導師導古典を学びたいすべての人に

文武訓 / 武訓上

一兵錄にいはく、士をしらぶる法に曰、用ふ可らざる者五あり。一には、市中に居てあそびたはぶれてゆるやかに育ちたる者。二には、花鎗花刀とて、やり太刀をつかふに、花やかにうつくしきを專にして、敵に勝つことを專にせざる藝は用なし。三には、年四十を越えてちからよわき人。四には、好んで大言をなして僞をいひ、あだごと多くいふ人は、實なるはたらきなし。五には、面白く膽よわき人は、つよきはたらきなりがたし。

新字:一兵録にいはく、士をしらぶる法に曰、用ふ可らざる者五あり。一には、市中に居てあそびたはぶれてゆるやかに育ちたる者。二には、花鎗花刀とて、やり太刀をつかふに、花やかにうつくしきを専にして、敵に勝つことを専にせざる芸は用なし。三には、年四十を越えてちからよわき人。四には、好んで大言をなして偽をいひ、あだごと多くいふ人は、実なるはたらきなし。五には、面白く胆よわき人は、つよきはたらきなりがたし。

書き下し

一兵録にいはく、士をしらぶる法に曰、用ふ可らざる者五あり。一には、市中に居てあそびたはぶれてゆるやかに育ちたる者。二には、花鎗花刀とて、やり太刀をつかふに、花やかにうつくしきを専にして、敵に勝つことを専にせざる芸は用なし。三には、年四十を越えてちからよわき人。四には、好んで大言をなして偽をいひ、あだごと多くいふ人は、実なるはたらきなし。五には、面白く胆よわき人は、つよきはたらきなりがたし。

現代語訳

『兵録』に言います。士を調べる法に「用いてはならない者が五つある」と。一つには、町中に住んで遊び戯れ、のんびり育った者。二つには、花槍・花刀といって、槍や太刀を使うのに、華やかで美しいことばかりを専らにして、敵に勝つことを専らにしない芸の者は役に立ちません。三つには、年が四十を越えて力の弱い人。四つには、好んで大言を吐いて偽りを言い、でたらめを多く言う人は、実のある働きをしません。五つには、見かけは立派でも肝の弱い人は、強い働きはできません。

解説

明の兵書『兵録』から、兵として用いてはならない五種の人を紹介します。安楽に育った者、見た目ばかりの華やかな技の者、力の衰えた者、大言壮語する者、見かけ倒しで肝の小さい者です。とくに「見栄えのする技」と「実際に勝つ技」を区別している点、口ばかり達者な者を退けている点は、今の人材選びにもそのまま通じます。面接や評価で、話のうまさや見た目に惑わされず、実際の力と誠実さを見る目を持つことが大切です。

この章句が説くこと

人材兵録実力見極め選抜

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る