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文武訓 / 文訓下之末

一學問は、日々に進むをむねとす。日ごとに一事を知らば、一月に三十事、一年に三百六十事を知る。十年に三千六百事を知らば、大に學問すゝむべし。一程子の父大中といふ人、其作れる詩を編錄せられしが、人に見せず、たゞわれひとり見てたのしめり。是わが才にほこらず、法とすべし。今の人、わが作れる詩を人に見することを好むは、わが才にほこるなり。いやしむべし。

新字:一学問は、日々に進むをむねとす。日ごとに一事を知らば、一月に三十事、一年に三百六十事を知る。十年に三千六百事を知らば、大に学問すゝむべし。一程子の父大中といふ人、其作れる詩を編録せられしが、人に見せず、たゞわれひとり見てたのしめり。是わが才にほこらず、法とすべし。今の人、わが作れる詩を人に見することを好むは、わが才にほこるなり。いやしむべし。

書き下し

一学問は、日々に進むをむねとす。日ごとに一事を知らば、一月に三十事、一年に三百六十事を知る。十年に三千六百事を知らば、大に学問すすむべし。一程子の父大中といふ人、其作れる詩を編録せられしが、人に見せず、ただわれひとり見てたのしめり。是わが才にほこらず、法とすべし。今の人、わが作れる詩を人に見することを好むは、わが才にほこるなり。いやしむべし。

現代語訳

学問は日々に進むことを旨とします。一日に一つの事を知れば、一か月に三十の事、一年に三百六十の事を知ります。十年に三千六百の事を知れば、学問は大いに進むでしょう。程子の父の大中という人は、自分の作った詩を編集されましたが、人に見せず、ただ自分ひとりで見て楽しみました。これは自分の才能を誇らないということで、手本とすべきです。今の人が、自分の作った詩を人に見せることを好むのは、自分の才能を誇るのです。いやしむべきことです。

解説

前半は、一日一つ学べば十年で三千六百になるという、積み重ねの力を示す分かりやすい教えです。後半は、程顥・程頤兄弟の父である程珦(字は伯温、益軒は大中と記す)が、自作の詩を人に見せずひとりで楽しんだ逸話を引き、才能を誇らない謙虚さを称えます。一日一句ずつ古典を読むような小さな習慣も、続ければ大きな力になります。そして学んだことや作ったものを見せびらかさず、自分の楽しみとして味わう心の余裕を持ちたいものです。

この章句が説くこと

学問積み重ね謙虚習慣詩

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