文武訓 / 文訓下之末
一古への歷史、通鑑などを通じて讀めば、天下の廣き、古今の久しき事、ことごとく見えて、胸中に明かなり。いにしへのあとを考へて、今來の鑑とすべし。是聖經をたすけ、義理をひろく考ふべし。是大なる益なり。又古來の事をひろく知るも、大なる樂なり。
新字:一古への歴史、通鑑などを通じて読めば、天下の広き、古今の久しき事、ことごとく見えて、胸中に明かなり。いにしへのあとを考へて、今来の鑑とすべし。是聖経をたすけ、義理をひろく考ふべし。是大なる益なり。又古来の事をひろく知るも、大なる楽なり。
書き下し
一古への歴史、通鑑などを通じて読めば、天下の広き、古今の久しき事、ことごとく見えて、胸中に明かなり。いにしへのあとを考へて、今来の鑑とすべし。是聖経をたすけ、義理をひろく考ふべし。是大なる益なり。又古来の事をひろく知るも、大なる楽なり。
現代語訳
昔の歴史書や『通鑑』などを通して読めば、天下の広さ、古今の長い間の事が、ことごとく見えて、胸の中に明らかになります。昔の跡を考えて、今の鑑とすべきです。これは聖人の経書を助け、義理を広く考えることができます。これは大きな益です。また古来の事を広く知ることも、大きな楽しみです。
解説
『資治通鑑』は宋の司馬光が編んだ中国の通史で、「治に資する鑑」という名のとおり、政治の手本として読まれました。益軒は、史書を通読すると天下の広さと歴史の長さが胸に見わたせ、昔の出来事を今の判断の鏡にできると言います。経書が道理を説くのに対し、史書はその道理が現実にどう働いたかを示す点で経書を助けます。仕事でも過去の成功と失敗の記録を学ぶことは最良の教材です。そして何より、歴史を知ること自体が楽しいのだと益軒は添えます。
この章句が説くこと
歴史通鑑鑑楽しみ学問
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人物志・體別夫れ學は材を成す所以なり、疏は情を推す所以なり。偏材の性は、移轉すべからず。
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説苑・建本子思曰わく、学は才を益す所以なり、礪は刃を致す所以なり。吾嘗て幽処して深く思うも、学の速やかなるに若かず。吾嘗て跂ちて望むも、高きに登りて博く見るに若かず。故に風に順いて呼べば、声疾しきを加えざれども聞く者衆し。丘に登りて招けば、臂長きを加えざれども見る者遠し。故に魚は水に乗り、鳥は風に乗り、草木は時に乗る。
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