文武訓 / 文訓下
一父兄たる人は、其子弟のいとけなき時より、はやく師をもとめて書を讀ませ、道を學ばしむべし。又、いとけなき人も、みづからわが身をかへりみて、はやく書をよみ、文字をおぼえ道をまなぶべし。わかき時おこたりてつとめざれば、年長じ老いて後悔すれどもかひなし。およその事、はやく後の事をはかりて、悔なからんことをおもふべし。
新字:一父兄たる人は、其子弟のいとけなき時より、はやく師をもとめて書を読ませ、道を学ばしむべし。又、いとけなき人も、みづからわが身をかへりみて、はやく書をよみ、文字をおぼえ道をまなぶべし。わかき時おこたりてつとめざれば、年長じ老いて後悔すれどもかひなし。およその事、はやく後の事をはかりて、悔なからんことをおもふべし。
書き下し
一父兄たる人は、其子弟のいとけなき時より、はやく師をもとめて書を読ませ、道を学ばしむべし。又、いとけなき人も、みづからわが身をかへりみて、はやく書をよみ、文字をおぼえ道をまなぶべし。わかき時おこたりてつとめざれば、年長じ老いて後悔すれどもかひなし。およその事、はやく後の事をはかりて、悔なからんことをおもふべし。
現代語訳
父や兄である人は、その子弟が幼い時から、早く師を求めて書を読ませ、道を学ばせなさい。また幼い人も、自らわが身を顧みて、早く書を読み、文字を覚え、道を学びなさい。若い時に怠って努めなければ、年長じ老いてから後悔しても甲斐がありません。およそ何事も、早く後のことを考えて、悔いのないようにと思いなさい。
解説
親や兄は子弟が幼いうちに師をつけて学ばせ、子ども自身も早く学べと説き、若い時に怠れば老いて悔いても遅いと戒めます。何事も先を見越して悔いを残さぬようにという結びは、学問に限らない人生訓です。益軒は和俗童子訓で早期教育の大切さを体系的に説いており、その考えがここにも表れています。今の子育てでも、学ぶ習慣を早くからつけることが一生の財産になります。大人自身も、先延ばしにせず今できる学びを始めることが大切です。
この章句が説くこと
教育子育て学問後悔早期
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