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文武訓 / 文訓上之末

一およそ、世俗の書狀などに書く文字に、ひがごと多し、察すべし。又そら字多し。是亦、其あやまりを知るべし。但し、あやまり來りて、改めがたきこともあり。それを强ひて改めてことやうなるは、時宜にそむきてあしし。

新字:一およそ、世俗の書状などに書く文字に、ひがごと多し、察すべし。又そら字多し。是亦、其あやまりを知るべし。但し、あやまり来りて、改めがたきこともあり。それを強ひて改めてことやうなるは、時宜にそむきてあしし。

書き下し

一およそ、世俗の書状などに書く文字に、ひがごと多し、察すべし。又そら字多し。是亦、其あやまりを知るべし。但し、あやまり来りて、改めがたきこともあり。それを強ひて改めてことやうなるは、時宜にそむきてあしし。

現代語訳

およそ世俗の書状などに書く文字には、誤りが多いので、よく察しなさい。また当て字も多いものです。これもまた、その誤りを知っておきなさい。ただし、誤ったまま使われてきて、改めにくいものもあります。それを無理に改めて風変わりになるのは、時宜に背いてよくありません。

解説

世俗の手紙には誤字や当て字が多いので知っておくべきだが、慣用として定着したものを無理に正して奇妙になるのは時宜に背く、と説いています。正しさと通用性の兼ね合いを考える、益軒らしい穏当な判断です。益軒は古礼を今にそのまま行おうとする儒者を別の条で批判しており、時と所に応じる「時宜」を重んじました。今でも、厳密には誤用とされる言い回しを会話でいちいち正すと角が立ちます。知ったうえで場に合わせる柔軟さが求められます。

この章句が説くこと

文字時宜慣用柔軟手紙

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