導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

武家家訓集 / 武田信繁家訓九十九箇条第52〜54条

一父無覺悟、故雖成敗、其子別而於于抽忠功者、可散鬱事、語曰、犂牛子騂且角、雖欲不用、山川其舍諸、 一人數搭樣子、和敵破敵隨敵之分別肝要事、三略云、因敵轉化、 一毎事爭儀、敢不可爲事、語曰、君子無所爭、必也射乎、

新字:一父無覚悟、故雖成敗、其子別而於于抽忠功者、可散鬱事、語曰、犂牛子騂且角、雖欲不用、山川其舎諸、 一人数搭様子、和敵破敵随敵之分別肝要事、三略云、因敵転化、 一毎事争儀、敢不可為事、語曰、君子無所争、必也射乎、

書き下し

一、父覚悟無きが故に、成敗すといえども、其の子別して忠功を抽んずる者は、鬱を散ずべき事。語に曰く、「犂牛の子、騂にして且つ角あらば、用いざらんと欲すといえども、山川其れ諸を舍てんや」と。 一、人数を搭する様子、敵に和し敵を破り敵に随うの分別肝要の事。三略に云く、「敵に因りて転化す」と。 一、毎事争議、敢えて為すべからざる事。語に曰く、「君子は争う所無し、必ずや射か」と。

現代語訳

第一に、父に覚悟が足りなかったために処罰を受けたとしても、その子で特に忠義の働きが際立つ者があれば、父の件で積もった鬱屈を晴らしてやるべきです。論語に「まだら牛の子でも、毛が赤く角がりっぱなら、使うまいとしても山川の神がそれを見捨てるでしょうか」とあります。第二に、軍勢を配する際の様子では、敵に和し、敵を破り、敵に従うという見分けが肝心です。三略に「敵に応じて変化する」とあります。第三に、何事についても争い事は決してしてはなりません。論語に「君子は争うことがない。争うとすれば弓の競い合いくらいだ」とあります。

解説

三つの条のうち、最初は連座の扱いです。親の落ち度を子に負わせず、忠功のある子は取り立てよ、と説き、論語の「犂牛の子」で、生まれより本人の質を見る姿勢を示します。次の条は敵に和すか、破るか、従うかを見分けよという軍の心得で、三略の「敵に因りて転化す」が支えです。最後は、争いごとを避けよという条で、君子の争いは射だけという論語が引かれます。現代の組織でも、前任者の失敗の巻き添えで部下の芽を摘まないこと、状況に応じて対応を変えること、社内の勝ち負けの争いに力を使わないことは、そのまま管理職の心得になります。

この章句が説くこと

連座人材登用状況対応争わない三略武家家訓集

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る