武家家訓集 / 毛利元就三子教訓状厳島への信仰
一我等事、不思儀に嚴島を大切に存る心底にて、年月信仰申候、さ候間、初度に折敷はたにて合戰の時も、既はや合戰に及候時、自嚴島石田六郎左衞門御久米卷數を捧げ來候條、さては神變と存知、合戰彌すゝめ候て勝利候、其後嚴島要害爲普請、我等罷渡候處に、存外なる敵舟三艘興風來候て、及合戰數多討捕頸、要害之麓にならべおき候、其時我等存當候、さては於當島彌可得太利奇瑞にて候哉、元就罷渡候時、如此之仕合共候間、大明神御加護も候と、心中安堵候つ、然間嚴島を皆々御信仰肝要本望たるべく候、
新字:一我等事、不思儀に厳島を大切に存る心底にて、年月信仰申候、さ候間、初度に折敷はたにて合戦の時も、既はや合戦に及候時、自厳島石田六郎左衛門御久米巻数を捧げ来候条、さては神変と存知、合戦弥すゝめ候て勝利候、其後厳島要害為普請、我等罷渡候処に、存外なる敵舟三艘興風来候て、及合戦数多討捕頸、要害之麓にならべおき候、其時我等存当候、さては於当島弥可得太利奇瑞にて候哉、元就罷渡候時、如此之仕合共候間、大明神御加護も候と、心中安堵候つ、然間厳島を皆々御信仰肝要本望たるべく候、
書き下し
一我等事、不思儀に嚴島を大切に存る心底にて、年月信仰申候、さ候間、初度に折敷はたにて合戰の時も、既はや合戰に及候時、自嚴島石田六郎左衞門御久米卷數を捧げ來候條、さては神變と存知、合戰彌すゝめ候て勝利候、其後嚴島要害爲普請、我等罷渡候處に、存外なる敵舟三艘興風來候て、及合戰數多討捕頸、要害之麓にならべおき候、其時我等存當候、さては於當島彌可得太利奇瑞にて候哉、元就罷渡候時、如此之仕合共候間、大明神御加護も候と、心中安堵候つ、然間嚴島を皆々御信仰肝要本望たるべく候、
現代語訳
私は不思議に厳島を大切に思う心で、長年信仰してきた。そのため、最初に折敷畑で合戦したとき、すでに合戦に及んだところで、厳島から石田六郎左衛門が御久米の巻数を捧げて来たので、これは神の変化と知って、合戦をいよいよ勧め、勝利した。その後、厳島の要害を普請するため私が渡ったところ、思いがけない敵船三艘が風に乗って来て合戦に及び、数多くの首を討ち取って要害の麓に並べ置いた。そのとき私は、さてはこの島でいよいよ大いなる奇瑞があるのだろうかと思い当たった。元就が渡るときにこうした出来事があったので、大明神の御加護もあると、心中安堵した。そのため、厳島を皆でご信仰くださることが肝心で、それが本望である。
解説
この章句が説くこと
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『武家家訓集』毛利元就三子教訓状「幼い子どもたちのこと」一唯今虫けらのやうなる子ども候、かやうの者、もし〱此內かしらまたく成人候ずるは、心もちなどかたの如くにも候ずるをば、れんみん候て、何方之遠堺たとにも可被置候、又ひやうろく無力之者たそべきは、治定之事候間、さ樣の者をば、何とやうに被申付候共、はからひにて候〱、何共不存候〱、今日までの心持速に此分候、三人と五龍之事は、少もわるく御入候者、我々にたいし候ての御不幸迄候〱、更無別候〱、
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