酔古堂剣掃 / 集法・新怨を以て舊恩を忘るる勿かれ
毋似小嫌而疏至戚,勿以新怨而忘舊恩。
新字:毋似小嫌而疏至戚,勿以新怨而忘旧恩。
書き下し
小嫌を似て至戚を疏んずる毋かれ、新怨を以て舊恩を忘るる勿かれ。
現代語訳
小さなわだかまりのために、ごく近しい身内を遠ざけてはいけません。新しくできた恨みのために、昔から受けてきた恩を忘れてはいけません。
解説
目先の小さな感情で、長く大切な関係を損なうなと戒めた一則です。小嫌は小さな不満やわだかまり、至戚は最も近しい親族を言います。原文の似は、以の写し違いと思われます。身内ほど遠慮がないぶん、ちょっとした言葉で傷つき、距離を置いてしまいがちです。また、最近の一度のいざこざで、長年受けてきた恩を帳消しにしてしまうこともあります。人は新しい出来事ほど強く感じるものですが、関係の値打ちは積み重ねた年月で量るべきでしょう。怒りを覚えたときこそ、相手から受けてきたものを思い出したいものです。
この章句が説くこと
家族恩義寛容処世忍
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