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武家家訓集 / 毛利元就三子教訓状元春・隆景と隆元の心持

一此間も如申候、元春隆景ちかひの事候共、隆元ひとへに〱以親氣毎度かんにんあるべく候〱、 又隆元ちかひの事候共、兩人之事は御したがひ候はて不叶順儀候〱、兩人之御事は、爰元に御入候者、まことに福原桂などうへしたにて、何と成とも隆元下知に御したがひ候はて叶間じく候間、唯今如此候とても、たと〱內心には、此御ひつそくたるべく候〱、

新字:一此間も如申候、元春隆景ちかひの事候共、隆元ひとへに〱以親気毎度かんにんあるべく候〱、 又隆元ちかひの事候共、両人之事は御したがひ候はて不叶順儀候〱、両人之御事は、爰元に御入候者、まことに福原桂などうへしたにて、何と成とも隆元下知に御したがひ候はて叶間じく候間、唯今如此候とても、たと〱内心には、此御ひつそくたるべく候〱、

書き下し

一此間も如申候、元春隆景ちかひの事候共、隆元ひとへに〱以親氣毎度かんにんあるべく候〱、 又隆元ちかひの事候共、兩人之事は御したがひ候はて不叶順儀候〱、兩人之御事は、爰元に御入候者、まことに福原桂などうへしたにて、何と成とも隆元下知に御したがひ候はて叶間じく候間、唯今如此候とても、たと〱內心には、此御ひつそくたるべく候〱、

現代語訳

この間も申したように、元春・隆景に違うことがあっても、隆元はひとえに親の気持ちで、そのつど堪忍されるように。また隆元が違うことをしても、両人の事については、従わないわけにはいかない順当の筋である。ここに両人がいらっしゃるならば、まことに福原・桂などが上下の間柄で、何としても隆元の下知に従わなければならないのだから、今このようであっても、きっと内心にはこの恐れ慎み(ひっそく)があるべきである。

解説

長兄の隆元には、弟たちに過ちや行き違いがあっても親の気持ちで我慢せよと、弟たちには、順当の筋として隆元の指図に従えと説く条です。上に立つ者には包容を、下の者には従う筋道を、双方向で示しています。本文後半は、福原・桂のような家臣でさえ隆元の下知に従うのだから、弟たちが内心に慎みを持つのは当然だ、という論の運びです。底本の字が怪しい箇所は、取れる範囲で訳しました。現代でも、トップに寛容さを求め、補佐する側に筋を通す責任を求める、両面の役割設計が重要になります。

この章句が説くこと

寛容序列役割堪忍補佐武家家訓集

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