武家家訓集 / 毛利元就三子教訓状宛名と追而書
隆元 元春 進之候 隆景 右馬 尚々忘申候事は、重而可申候、又此狀字など落候て、てにはちがひ候事もあるべく候、御推量めさるべく候〱、 三人心持之事、今度彌可然被申談候、誠千秋萬歲大慶此事候〱、
新字:隆元 元春 進之候 隆景 右馬 尚々忘申候事は、重而可申候、又此状字など落候て、てにはちがひ候事もあるべく候、御推量めさるべく候〱、 三人心持之事、今度弥可然被申談候、誠千秋万歳大慶此事候〱、
書き下し
隆元 元春 進之候 隆景 右馬 尚々忘申候事は、重而可申候、又此狀字など落候て、てにはちがひ候事もあるべく候、御推量めさるべく候〱、 三人心持之事、今度彌可然被申談候、誠千秋萬歲大慶此事候〱、
現代語訳
隆元、元春、隆景、右馬(宛名)へ差し上げる。なおなお、言い忘れたことは、重ねて申します。またこの書状は、字が落ちたり、てにはが違ったりしているところもあるでしょう。どうぞお察しください。三人の心持ちのことは、このたびいよいよ、よく話し合っていただきたい。まことに千秋万歳の大きな慶びは、このことです。
解説
毛利元就が三人の子に宛てた教訓状の、宛名と追って書きです。字の落ちや、てにはの違いがあってもお察しくださいと、自分の文面の不備をあらかじめ断る低い姿勢が目を引きます。そのうえで、三人の心持ちを今度こそよく話し合って整えることが、千秋万歳に値する大きな慶びだと述べ、全体の主題を先に示しています。書き手は父であり当主ですが、命令でなく頼みの調子で始めています。現代の経営者が後継者へ文書を残すときも、完璧な文章より、伝えたい一点を最初に置くことの大切さが読み取れます。
この章句が説くこと
結束後継者書状低い姿勢主題提示武家家訓集
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