武家家訓集 / 毛利元就三子教訓状元春・隆景は毛利の二字を忘れるな
一元春隆景之事、他名之家を被續事候、雖然是者誠のとうざの物にてこそ候へ、毛利之二字あだおろかにも思召御忘却候ては、一圓無曲事候、中々申もおろかにて候〱、
新字:一元春隆景之事、他名之家を被続事候、雖然是者誠のとうざの物にてこそ候へ、毛利之二字あだおろかにも思召御忘却候ては、一円無曲事候、中々申もおろかにて候〱、
書き下し
一元春隆景之事、他名之家を被續事候、雖然是者誠のとうざの物にてこそ候へ、毛利之二字あだおろかにも思召御忘却候ては、一圓無曲事候、中々申もおろかにて候〱、
現代語訳
元春と隆景のことである。ほかの名のある家を継ぐ身ではあるが、それは本当に当座のことである。毛利の二字をおろそかに思って忘れてしまうのは、まったくよろしくないことである。まったく言うまでもないことである。
解説
吉川家と小早川家を継いだ元春と隆景に向けた条です。他家の名を継いでいても、それは当座のことにすぎず、毛利の二字を軽く思って忘れてはならないと念を押しています。底本の「他名之家を被續」は、他の名の家を継ぐことを指します。養子や婚姻で他家に入った子を、本家とのつながりに留めておこうとする意図が読み取れます。現代でいえば、子会社の経営を任された者や、出向者に対して、グループ全体の理念を忘れさせないことにあたります。立場が変わった人ほど、元の軸を確認する機会が必要です。
この章句が説くこと
出向理念グループ経営養子本家武家家訓集
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