武家家訓集 / 北条早雲廿一箇条第10条
一御通りにて物語抔する人のあたりに居べからず、傍へよるべし、況我身雜談虛笑抔しては、上々の事は不及申、傍輩にも心ある人には、みかざられべく候也、
新字:一御通りにて物語抔する人のあたりに居べからず、傍へよるべし、況我身雑談虚笑抔しては、上々の事は不及申、傍輩にも心ある人には、みかざられべく候也、
書き下し
一御通りにて物語抔する人のあたりに居べからず、傍へよるべし、況我身雜談虛笑抔しては、上々の事は不及申、傍輩にも心ある人には、みかざられべく候也、
現代語訳
主君が通られるところで、話などをしている人の近くにいてはなりません。傍に寄りなさい。まして自分が雑談や空笑いなどをするのは、上の方々はもちろん、同輩でも心ある人には、見限られるでしょう。
解説
主君が通る場で、雑談する人のそばにいるなという条です。傍らに寄って控え、まして自分が雑談や空笑いをすれば、上の人はもちろん、心ある同輩にも見限られると言います。「虚笑」は意味のない笑いのことと読めます。ここで見られているのは、公的な場での振る舞いの慎みです。さらに、巻き込まれないよう、騒がしい人たちの近くを避ける判断も含みます。現代の職場でも、上司や来客が通る場でのだらけた雑談、愚痴の輪は、本人だけでなく所属全体の印象を落とします。周りに誰の目があるかを意識して距離を取ることは、評判を守る小さな技術です。
この章句が説くこと
慎み公の場評判雑談距離の取り方武家家訓集
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