武家家訓集 / 北条早雲廿一箇条第9条
一仰出さるゝ事あらば、遠くに祗候申たり共、はやくあつと御返事を申、頓て御前へ參、御側へはひはひより、いかにも謹て承べし、扠いそぎ罷出、御用を申調、御返事は有のまゝに申上べし、私の宏才を申べからず、但又事により、此御返事は何と申候はんと、口味ある人の内儀を請て申上べし、我とする事なかれといふことなり、
新字:一仰出さるゝ事あらば、遠くに祗候申たり共、はやくあつと御返事を申、頓て御前へ参、御側へはひはひより、いかにも謹て承べし、扠いそぎ罷出、御用を申調、御返事は有のまゝに申上べし、私の宏才を申べからず、但又事により、此御返事は何と申候はんと、口味ある人の内儀を請て申上べし、我とする事なかれといふことなり、
書き下し
一仰出さるゝ事あらば、遠くに祗候申たり共、はやくあつと御返事を申、頓て御前へ參、御側へはひはひより、いかにも謹て承べし、扠いそぎ罷出、御用を申調、御返事は有のまゝに申上べし、私の宏才を申べからず、但又事により、此御返事は何と申候はんと、口味ある人の内儀を請て申上べし、我とする事なかれといふことなり、
現代語訳
主君の仰せがあったなら、遠くに控えていても、すぐに「はっ」と返事をして、ただちに御前に参り、お側へはうようにして近づき、できるだけ謹んで承りなさい。それから急いで退出し、御用を済ませて、御返事はありのままに申し上げなさい。自分の広い才知を見せようとしてはなりません。ただし、事によっては、この御返事はどう申し上げましょうかと、口の達者な人の考えを聞いて申し上げなさい。自分ひとりでしてはならないということです。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『武家家訓集』北条早雲廿一箇条「第2条」一朝はいかにもはやく起べし、遲く起ぬれば、召仕ふ者まで由斷しつかはれず、公私の用をかくなり、はたしては必主君にみかぎられ申べしと、ふかくつゝしむべし、
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『武家家訓集』北条早雲廿一箇条「第10条」一御通りにて物語抔する人のあたりに居べからず、傍へよるべし、況我身雜談虛笑抔しては、上々の事は不及申、傍輩にも心ある人には、みかざられべく候也、
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『武家家訓集』北条早雲廿一箇条「第8条」一出仕の時御前へ參るべからず、御次に祗候して、諸傍輩の體見つくろひ、さて御とをりへ罷出べし、さ樣になければ、むなつく事有べきなり、
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『武家家訓集』北条早雲廿一箇条「第13条」一宿老の方々御縁に祗候の時、腰を少々折て手をつき通るべし、はゞからぬ體にて、あたりをふみならし通る事、以の外の虛外也、諸侍いづれも慇懃にいたすべき也、
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『武家家訓集』北条早雲廿一箇条「第7条」一出仕の時は申に及ず、或は少き煩所用在之、今日は宿所にあるべしとおもふとも、髪をはやくゆふべし、はふけたる體にて人々にみゆる事、虛外又つたなきこゝろ也、我身に由斷がちなれば、召仕ふ者までも其振舞程に嗜むべし、同たふの人の尋來るにも、とゝつきまはりて見ぐるしき事也、
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『武家家訓集』北条早雲廿一箇条「第4条」一手水をつかはぬさきに、厠より廐庭門外迄見めぐり、先掃除すべき所を、にあひの者にいひ付、手水をはやくつかふべし、水はありものなればとて、たゞうがひし捨べからず、家のうちなればとて、たかく聲ばらひする事、人にはゞからぬ體にて、聞にくし、ひそかにつかふべし、天に跼地に蹐すといふ事あり、
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