武家家訓集 / 北条早雲廿一箇条第14条
一上下萬民に對し、一言半句にても虛言を申べからず、かりそめにも有のまゝたるべし、そらごと言つくれば、くせになりてせらるゝ也、人に頓てみかぎらるべし、人に糺され申ては、一期の恥と心得べきなり、
新字:一上下万民に対し、一言半句にても虚言を申べからず、かりそめにも有のまゝたるべし、そらごと言つくれば、くせになりてせらるゝ也、人に頓てみかぎらるべし、人に糺され申ては、一期の恥と心得べきなり、
書き下し
一上下萬民に對し、一言半句にても虛言を申べからず、かりそめにも有のまゝたるべし、そらごと言つくれば、くせになりてせらるゝ也、人に頓てみかぎらるべし、人に糺され申ては、一期の恥と心得べきなり、
現代語訳
身分の上下を問わずあらゆる人に対して、たった一言半句でも嘘を言ってはなりません。かりそめにも、ありのままであるべきです。嘘を言いつくろえば癖になってしまいます。人にたちまち見限られるでしょう。人に問い質されて嘘が露見することは、一生の恥と心得なさい。
解説
身分の高い低いを問わず、一言半句でも嘘をつくなという条です。嘘はいったんつくと癖になり、すぐに人から見限られ、人に問い質されて露見すれば一生の恥だと言います。ここでの要点は、嘘を悪徳としてだけでなく、癖になるという習慣の問題と、信用を失うという実利の問題の両面から述べている点です。現代の仕事でも、小さな誇張や言い逃れが重なると、数字や報告への信頼が一度に崩れます。一言半句というほどの小さな場面から正直を守る姿勢は、組織の信頼を築く最も手前の土台になります。
この章句が説くこと
正直嘘信用習慣一言半句武家家訓集
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