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武事提要 / 練武之大意・習練が集団を強く盛んにする

人數の分配あつて前後左右の備を定といへども、習練うすくしては、人々愜にしらず、其用滯もの也、上中下共に知共に通用して自由ならしむる事也、習練に心あつて能々上中下呑込て其業かさなり其事練ときは、人數強く盛なる也、譬ば織物をねるときは、其地つまり、其色も出、其つやあらはる、勢もしなやかにして強く盛なり、人數の上も同事也、故に第三の采幣と號して弓矢の上强盛ならしむるの大本也、傳受三采幣△引卒大軍――知人――爲令勸士役 賞罰――爲勸善懲惡 練習――爲士卒强盛

新字:人数の分配あつて前後左右の備を定といへども、習練うすくしては、人々愜にしらず、其用滞もの也、上中下共に知共に通用して自由ならしむる事也、習練に心あつて能々上中下呑込て其業かさなり其事練ときは、人数強く盛なる也、譬ば織物をねるときは、其地つまり、其色も出、其つやあらはる、勢もしなやかにして強く盛なり、人数の上も同事也、故に第三の采幣と号して弓矢の上強盛ならしむるの大本也、伝受三采幣△引卒大軍――知人――為令勧士役 賞罰――為勧善懲悪 練習――為士卒強盛

書き下し

人數の分配あつて前後左右の備を定といへども、習練うすくしては、人々愜にしらず、其用滯もの也、上中下共に知共に通用して自由ならしむる事也、習練に心あつて能々上中下呑込て其業かさなり其事練ときは、人數強く盛なる也、譬ば織物をねるときは、其地つまり、其色も出、其つやあらはる、勢もしなやかにして強く盛なり、人數の上も同事也、故に第三の采幣と號して弓矢の上强盛ならしむるの大本也、傳受三采幣△引卒大軍――知人――爲令勸士役 賞罰――爲勸善懲惡 練習――爲士卒强盛

現代語訳

人数の配分があって前後左右の備えを定めても、習練が薄ければ、人々が十分に心得を知らず、その働きが滞るものです。上中下ともに知り通じて自由にできるようにすることです。習練に心を用い、よくよく上中下が呑み込んで、その業が重なり、その事が練られるとき、人数は強く盛んになります。たとえば織物を練るとき、その地がつまり、その色も出、その艶もあらわれ、勢いもしなやかで強く盛んになります。人数の上も同じです。だから第三の采幣と名づけ、弓矢の上を強く盛んにする大本です。伝受の三采幣(まとめ)。大軍を引率する――人を知る――士に役を勧めるため。賞罰――善を勧め悪を懲らすため。練習――士卒を強く盛んにするため。

解説

備えの人員配置を決めても、日ごろの習練が薄ければ、一人ひとりが動き方を知らず、働きが滞ると述べます。上中下の全員が理解して自由に動けるまで練ることで、織物が練られて艶が出るように集団は強くなるという比喩です。現代では、組織図や役割分担を決めただけで安心せず、研修や模擬演習、日常の振り返りを重ねて、全員が自分の動きを理解している状態をつくることが管理職の仕事だと読めます。
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この章句が説くこと

武事提要山鹿高恒習練組織の強さ采幣訓練

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