武治提要 / 傳璽・第10段
後將旣に成立の後、婦人の女德及閨門の法を正すこと、尤も切にすべし。人倫の親きもの、夫婦に過ることなし。婦人正しきときは、夫の行をはげますに尤も益あり。若其志操いまだかたからざる人は、女德の當否に仍て、其行に可否をなすこと、古今の情なり。愼まずんばあるべからず。後將の器旣に成てよりは、必ず國家の武政を共に謀らしめて、武德を修せしむること、蓋し要務なり。後將年たくるまで政事をしらず。頓に讓をうけて國務に通ぜざるが如きこと、世に或はあり。是父將の過なり。
新字:後将既に成立の後、婦人の女徳及閨門の法を正すこと、尤も切にすべし。人倫の親きもの、夫婦に過ることなし。婦人正しきときは、夫の行をはげますに尤も益あり。若其志操いまだかたからざる人は、女徳の当否に仍て、其行に可否をなすこと、古今の情なり。慎まずんばあるべからず。後将の器既に成てよりは、必ず国家の武政を共に謀らしめて、武徳を修せしむること、蓋し要務なり。後将年たくるまで政事をしらず。頓に譲をうけて国務に通ぜざるが如きこと、世に或はあり。是父将の過なり。
書き下し
後將旣に成立の後、婦人の女德及閨門の法を正すこと、尤も切にすべし。人倫の親きもの、夫婦に過ることなし。婦人正しきときは、夫の行をはげますに尤も益あり。若其志操いまだかたからざる人は、女德の當否に仍て、其行に可否をなすこと、古今の情なり。愼まずんばあるべからず。後將の器旣に成てよりは、必ず國家の武政を共に謀らしめて、武德を修せしむること、蓋し要務なり。後將年たくるまで政事をしらず。頓に讓をうけて國務に通ぜざるが如きこと、世に或はあり。是父將の過なり。
現代語訳
後の将がすでに成長して立った後は、夫人の女徳と閨門の法を正すことが、最も切に求められます。人倫の親しいものは、夫婦に勝るものはありません。夫人が正しいなら、夫の行いを励ますうえで最も益があります。もしその志操がまだ固まっていない人は、夫人の女徳の良し悪しによって、その行いの良し悪しが決まるのは、古今の人情です。慎まなければなりません。後の将の器がすでに成ってからは、必ず国家の武政を共に謀らせて、武徳を修めさせることが、おそらく肝要です。後の将が年を取るまで政事を知らず、にわかに譲りを受けて国務に通じていないようなことは、世に往々にしてあります。これは父の将の過ちです。
解説
この章句が説くこと
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