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武治提要 / 傳璽・第1段

傳璽は武將大治の終なり。一世に武德を敷といへども、後將に至てこれを失んこと、德の猶至らざるもの也。これより牽て昭穆祭祀の百世に傳はらんことは、人力の得てなすべからざるの地にして、至德の天に配せる也。其深重擧て云べからず。

新字:伝璽は武将大治の終なり。一世に武徳を敷といへども、後将に至てこれを失んこと、徳の猶至らざるもの也。これより牽て昭穆祭祀の百世に伝はらんことは、人力の得てなすべからざるの地にして、至徳の天に配せる也。其深重挙て云べからず。

書き下し

傳璽は武將大治の終なり。一世に武德を敷といへども、後將に至てこれを失んこと、德の猶至らざるもの也。これより牽て昭穆祭祀の百世に傳はらんことは、人力の得てなすべからざるの地にして、至德の天に配せる也。其深重擧て云べからず。

現代語訳

伝璽は、武将の大治の終わりです。一代で武徳を敷いたとしても、後の将に至ってこれを失うなら、徳がなおも至らないということです。これより推し広げて、昭穆(祖先の序列)の祭祀が百世にまで伝わることは、人力の及ぶところではなく、至徳が天に配されるものです。その深く重いことは、取り上げて言い尽くせません。

解説

「伝璽」とは、武将の地位と統治を次の代へ受け渡すことを指します。ここでは、それが大治の最終段階だと位置づけられます。一代で武徳を広げても、後の将の代で失われるなら、その徳はまだ至っていないという厳しい物言いです。さらに、祖先を祭る系譜が百世まで続くことは、人の力でどうにかなるものではなく、至徳が天に通じる領域とされます。事業承継や後継者育成にも通じる話です。自分の代の業績だけでは足りず、次の世代に引き継がれてはじめて、取り組みは完結します。自分がいなくなった後も続く仕組みと人を残せたかが、本当の評価になるという視点を与えてくれます。

この章句が説くこと

伝璽承継徳次世代大治武治提要

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