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武治提要 / 省察・第1段

省察は武德を敷の樞要にして、武門萬機の政令、法律爰にあづからずと云ことなし。往を省るといまだ審ならざるときは、來を察すること亦中り難し。故に往を省るは來を察するが爲なり。或は專ら省を用ゆるものあり、或は專ら察をなすものあり、これ其事物によるといへども、吾常に省察の中間にあつて、古往今來をふまえざるときは、眞の武治を得べからざるなり。

新字:省察は武徳を敷の枢要にして、武門万機の政令、法律爰にあづからずと云ことなし。往を省るといまだ審ならざるときは、来を察すること亦中り難し。故に往を省るは来を察するが為なり。或は専ら省を用ゆるものあり、或は専ら察をなすものあり、これ其事物によるといへども、吾常に省察の中間にあつて、古往今来をふまえざるときは、真の武治を得べからざるなり。

書き下し

省察は武德を敷の樞要にして、武門萬機の政令、法律爰にあづからずと云ことなし。往を省るといまだ審ならざるときは、來を察すること亦中り難し。故に往を省るは來を察するが爲なり。或は專ら省を用ゆるものあり、或は專ら察をなすものあり、これ其事物によるといへども、吾常に省察の中間にあつて、古往今來をふまえざるときは、眞の武治を得べからざるなり。

現代語訳

省察は、武徳を広める上での要であり、武門のあらゆる政令や法律で、これに関わらないものはありません。過去を省みることが詳しくなければ、将来を察することも当たりにくくなります。だから、往を省みるのは、来を察するためです。専ら省みることを用いる者もあれば、専ら察することをする者もありますが、これはそのことによって異なります。しかし私は常に、省みることと察することの中間にいて、古今の流れを踏まえなければ、本当の武治は得られません。

解説

この段は、省みること(過去の検証)と察すること(先の見通し)を一組にして、治めるための要としています。過去を省みるのは未来を察するためだ、と目的をはっきり置いているのが特徴です。いまの仕事でも、振り返りが反省会で終わると、次の判断に生きません。過ぎたことの検証を、次の一手を当てるための材料として使う姿勢が大切です。管理職は、結果の報告を受けるだけでなく、そこから先を読む問いを部下と共有することが役目になります。

この章句が説くこと

省察振り返り見通し古今武徳武治提要

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