武治提要 / 立規制・第1段
事物各規則節制を立ざるときは、上下貴賤其處を換、武威を損し、武德を害すること、これより甚しきはあらず。立とは悠久に傳て用ゆべきを云也。悠久に傳べからざるは眞の規制に非ず。
新字:事物各規則節制を立ざるときは、上下貴賤其処を換、武威を損し、武徳を害すること、これより甚しきはあらず。立とは悠久に伝て用ゆべきを云也。悠久に伝べからざるは真の規制に非ず。
書き下し
事物各規則節制を立ざるときは、上下貴賤其處を換、武威を損し、武德を害すること、これより甚しきはあらず。立とは悠久に傳て用ゆべきを云也。悠久に傳べからざるは眞の規制に非ず。
現代語訳
事や物のそれぞれに規則と節制を立てなければ、上下貴賤がその位置を取り違え、武威を損ない、武徳を害することは、これより甚だしいものはない。ここで「立てる」とは、遠い将来まで伝えて用いることができるものを言う。遠い将来まで伝えられないものは、真の規制ではない。
解説
立規制の最初の段で、規則と節度を立てる意義と条件を述べます。規則がなければ、上下の序列が崩れ、武威も武徳も損なわれるとします。そして「立てる」とは、悠久に伝えて使えるものを言い、すぐに廃れるようなものは真の規制ではない、と条件をつけます。つまり、場当たり的な決まりは規制とは呼べないという主張です。いまの組織でも、問題が起きるたびに追加される応急処置のルールが積み重なり、矛盾したり形骸化したりすることがあります。長く機能するルールとは、特定の人や状況を超えて通用する原則に基づいたものです。ルールを作る際に、五年後も通用するかを考える視点が大切です。
この章句が説くこと
規制節度秩序持続性ルール武威
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