師導古典を学びたいすべての人に

十善法語 / 巻第一・不殺生戒

第三ニ上下貴賤尊卑有テ。禮度亂レヌシヤ。民家ニ至ルマテ。冠昏喪祭相應ノ式アリ。親族ソノ序アリ。眷屬ソノ親ミ有シヤ。不邪婬戒ノ影ハ先カウシタモノシヤ。畜生道ノ中ハ。同類ニモアレ。異類ニモアレ。互ニ爭フノミニテ。其雌雄牝牡ヲ見ヨ。邪婬業道ヲ具ヘタ姿シヤ。古書ニ。鳳皇來儀スルトモ衆鳥翼從スト云ナトハ。畜生ノ中ニ。一分人間ノ德ヲ得タコトシヤ。畜生ノ當リマヘテハナキシヤ。鴈行列ヲ亂サヌモ。此ニ準シテ知ルカヨキシヤ。

新字:第三ニ上下貴賤尊卑有テ。礼度乱レヌシヤ。民家ニ至ルマテ。冠昏喪祭相応ノ式アリ。親族ソノ序アリ。眷属ソノ親ミ有シヤ。不邪婬戒ノ影ハ先カウシタモノシヤ。畜生道ノ中ハ。同類ニモアレ。異類ニモアレ。互ニ争フノミニテ。其雌雄牝牡ヲ見ヨ。邪婬業道ヲ具ヘタ姿シヤ。古書ニ。鳳皇来儀スルトモ衆鳥翼従スト云ナトハ。畜生ノ中ニ。一分人間ノ徳ヲ得タコトシヤ。畜生ノ当リマヘテハナキシヤ。鴈行列ヲ乱サヌモ。此ニ準シテ知ルカヨキシヤ。

書き下し

第三ニ上下貴賤尊卑有テ。礼度乱レヌシヤ。民家ニ至ルマテ。冠昏喪祭相応ノ式アリ。親族ソノ序アリ。眷属ソノ親ミ有シヤ。不邪婬戒ノ影ハ先カウシタモノシヤ。畜生道ノ中ハ。同類ニモアレ。異類ニモアレ。互ニ争フノミニテ。其雌雄牝牡ヲ見ヨ。邪婬業道ヲ具ヘタ姿シヤ。古書ニ。鳳皇来儀スルトモ衆鳥翼従スト云ナトハ。畜生ノ中ニ。一分人間ノ徳ヲ得タコトシヤ。畜生ノ当リマヘテハナキシヤ。鴈行列ヲ乱サヌモ。此ニ準シテ知ルカヨキシヤ。

現代語訳

第三に、上下・貴賤・尊卑があって、礼の節度が乱れないのである。民家に至るまで、元服・婚礼・葬儀・祭祀にふさわしい式がある。親族にはその序列がある。一族にはその親しみがあるのである。不邪婬戒の影は、まずこうしたものである。畜生道の中は、同類であれ異類であれ、互いに争うばかりで、その雌雄や牝牡を見なさい。邪婬の業道を具えた姿である。古書に、「鳳凰が来て舞えば、多くの鳥が翼を連ねて従う」と言うなどは、畜生の中で一分の人間の徳を得たことである。畜生の当たり前ではないのである。雁が行列を乱さないのも、これに準じて知るのがよいのである。

解説

人の世に礼があり、冠婚葬祭の式があり、親族に序列と親しみがあることに、不邪婬戒の影を見る段である。獣は雌雄をめぐって争うばかりで節度がないという。鳳凰が来ると衆鳥が従い、雁が列を乱さないのは、獣が一分の人の徳を得た例とされる。当時の身分秩序を前提にした説き方だが、そこから今日汲み取れるのは、人と人との関係に節度と順序があることで、互いの親しみが安心して保たれるという点である。礼は相手との間に適切な距離を保つための知恵でもある。

この章句が説くこと

不邪婬節度冠婚葬祭親族秩序

関連する章句

この一句を、あなたの毎日に。

古典の教えを、今の状況に当てはめて考えてみる——師導があなたの学びと選択を支えます。

師導で古典を学ぶ
いま登録すると、7日間すべての機能を無料でお試しいただけます。 無料ではじめる